ののな

世界の終わりからのののなのネタバレレビュー・内容・結末

世界の終わりから(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

紀里谷監督、主演の伊東蒼さん、そして毎熊さん登壇の試写会にて鑑賞。

面白かったしメッセージは確かに受け取れた!ただ、すごく説明不足に感じた。

私の映画的教養不足かもしれないんだけど、①主人公が「気付いたら川で侍に追われてて、小さな女の子と一緒に逃げて、洞窟に来て、そこのおばあちゃまからお手紙を祠に預けるように言われて〜…そこで起きました‼️」って夢の内容を話す
②老婆が指示を出す
③国家権力により全国民の行動を制限
④地震が起きたが甚大な被害は無し
⑤よって主人公の見た夢はこれから起きることを示しており、未来を変えられる、人々を救えるのだ‼️
……ってなるのがまじでわからなかった。②の老婆の指示出しが③に繋がる(老婆の助言に首相も従っている)のは理解できた。ただ、①の夢が地震を意味することは主人公には説明されていないし、老婆しか分からない。後々本の内容が変わって〜って説明はあるものの、この時は分からないよね?少なくとも私には逃げて託される夢=地震だ!とは分からない。
だから⑤に繋がるのを主人公があっさり理解するのがまじで分からない。

あと、エルム街の悪夢の如く寝ちゃったら(どころか白昼夢のように)始まる夢なのに、「その力を使って滅亡を止めるか否か」選べるのか?寝たら始まるのに選べなくない?って思った。拒否してもあの組織にかかれば簡単に夢の内容言わされるよね?

とにかく主人公の理解力がありすぎる。老婆や江崎に「なんでか分かるか?」と聞かれて即「分かりません」、「なんでですか」って言うくせに、2.3文説明されたら即座に「つまりこういう事ですか?」って言えるの頭良すぎるし、最初の質問の時もうちょっと考えてみなよwってなった。

主人公が「私なんか…」っていう自己肯定感の低い人物なのはわざとだと思うし、世界にも自分にも絶望するその子が世界を愛したいと思えるようになる流れは美しかった。しかしいかんせんとってつけたようなキャラ造形に感じてしまった。女子高生の頃、私なんか…って人は「そんなことないよ!」って言われすぎてて自分から自己肯定感が低いことを示さない傾向にある。友達少ない設定だからそれでいいのかなあ。

総じて原作ありきの二次創作を原作知らずに読んじゃったみたいな気分。分からないことが多いし、説明多いし…1ヶ月という短期間で撮影したから書き上げた脚本を変えられなかったのかな?監督の頭の中では全部納得がいってるんだと思う💧
舞台挨拶で、監督が伊東さん毎熊さんに「きつい撮影でみんなにはつらかったかもしれないが〜」的なことを言ってて言われたお二人とも別に否定とかしてなくて正直だなと好感を持った。

この舞台挨拶で、紀里谷監督は私みたいな興味本位(というか伊東さん見たさ)にやってきた浅い試写客でもハッとさせられるほどの思いを示していたので、多くの人にメッセージが届けばいいなと。公開されたらまずパンフレット読みたい!

冨永愛の使い方がうますぎる。背の高い人やスタイルのいい人は山ほどいるけど、未来っぽい人はそうそういない。

いじめっ子可愛い😍

友達のボウヤもいい味出してた。

ユキちゃん役の子役は最近NHKでよく見る気がする。邪気が無くてうまい!ただ凄惨な光景もあったので撮影現場が気になる。

高橋克典は朝ドラの町工場経営者と打って変わって国のトップに(罠の戦争でやってましたね)。トンネルのシーンとかの身振り手振りがヒトラーの演説を彷彿とさせてたような気がする。気のせいかな?

制服姿の伊東蒼さんは重い役が多めですが、現在絶賛上演中の最高舞台『明るい夜に出かけて』ではスーパーサイコな楽しいJKを演じていますのでそちらも是非😁👍
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