パスワードマネージャ使え。
「100％PC画面上で展開する」という触れ込みは今作も健在で、ある種のジャンルが形成されたと言ってもよいだろう。前作は満点の評をつけさせていただいたが、本作は惜しい着地だなと感じた。いかに内容を記していこう。
やはり前作の2018年ではギリギリ許されていたインターネットリテラシーの低さが2023年では厳しいのではないかと思われる。グレイスのPC音痴は丁寧な描画のためまあ…という感じだが、ケヴィンはIT系のCEOという設定ではなぁ。パスワードの使い回しやめろ。あと推測しやすいパスワードやめろ。
あとは文化的な話だけれど、◯◯バグとかいう愛称って向こうじゃ一般的なの。
最後にこれが最も首をひねる部分なのだが、本作のストーリーテリングは非常にトリッキーな物語を作った上で視聴者に「これはこうでした」「あれはああでした」と手の内を明かしていくスタイルなのだが、これは本当に「よくできた脚本」と呼ぶのだろうか。どうにも後出しジャンケンの匂いがする。
しかしながら詰め込めるだけ詰め込んだトリックは確かに密度感があるし、時系列トリックなどは粋で効果的だったと思う。もう一歩、という内容ではあったが十二分に面白い。オススメです。
