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ダムゼル/運命を拓きし者のKHのレビュー・感想・評価

ダムゼル/運命を拓きし者(2024年製作の映画)
3.5
2024年度の年間ノルマ70本中17作品目。
見させて頂きました。

最近、ちょっと重めの邦画ばかりを見ていたのでここらで息抜きじゃないですが、
軽めのって訳でもなく、何となくNetflixの週間ランキングの上位に食い込んでたこちらの作品を見てみようと思った次第でありまして、

なので、何となく姫と、魔法と?ドラゴンと?みたいなファンタジーかなーと言う印象だけでチョイスさせて頂きました。

後々、あー、この子『ストレンジャーシングズの坊主の子や。ってわかったのですが、本当に綺麗な子に育ちましたね。

まずはネタバレなしの率直な感想をば述べたいと思います。

『思っていた様な作品ではありませんでしたが、これはいい意味で裏切られたと言うか、
なるほどなぁと言うところも多く、割と楽しめた気がしております。
また、流石というか映像のスケールはかなり高くライトに見れたにも関わらず、結構すごいロケーションのシーンが多くてその辺はまだまだ邦画では真似できない部類なのかなぁと感じると共に、
ファンタジーはやっぱり外国に限るで‼︎と感じます。
しかしながら、それだけに言いたいことが全くない訳でもなく、その辺はネタバレの方で語るとして、
もし時間があればぜひお勧めできる一本です。』

タイトルにもある『ダムゼル』って結局何のことなん?とキャラクターの名前でも、舞台でもないので気になって調べたところ。

Damsel in distress(ダムゼル・イン・ディストレス)
いわゆる『囚われの姫』『捕らわれた姫』『苦難の乙女』という物語のキャラクターの類型とでもいうのでしょうか?


マリオで言うところのピーチや、ゼルダなんかもいわゆる『ダムゼルモノ』とでもいうのでしょうか?
使い方があってる変わらないですが、なんでもそういう風に分類に使われる単語みたいです。

・・・いや、ちょっと違うのかも、
ピーチやゼルダはマリオやリンクが助けに来るのですが、こちらの意味はもしかしたら、
困難を自分で何とかするとかの意味が含まれてるのかもしれません。

でもそういう呼び名があるのは
知らなかったです。またダムゼルは
『若い未婚の女性』という意味もあるそうです。

またここからは作品のネタバレを含む感想になります。

まず何より、びっくりだったというか意外だったのが、彼女を誰も助けに来る様な王子みたいな人がいない点でした。

先に挙げた例の如く、僕はこの作品のエロディをマリオのピーチや、ゼルダに例えましたが、ざっくりいうと、ピーチとゼルダが自分たちの力や知恵で何とか脱出するというお話でした。

そこに、何となくこの現代のメッセージの様なものを強く感じた様な気がします。

『女だからって何も泣いてるだけで座ってじっとしてるなんて思わないでよね?』的な?

また、それが例えば往年のファンタジーの王道であれば、
ドラゴンに攫われた姫。
そのドラゴンを退治する勇者。
結ばれる2人。

となりますが、この作品はどちらでもないというか、全部真逆をいくというか。

自国を建て直すために、嫁がされる娘。

そこの国はドラゴンに生贄を捧げることで繁栄しており、国中がそれを黙認。

誰も助けに来ないので、何とか自分で脱出。

ドラゴンに真相を話、共闘して国を滅ぼす。

故郷に帰り、ゆっくりと暮らす。

みたいな物語でした。

個人的に、なるほどそうか。もうピーチをマリオが助ける時代は終わったのか。
というよりは『ピーチの大冒険』という一つのゲームが発売されてもおかしくないんだなと思ったら、どうやら今月出るみたいですね。
『プリンセスピーチshow time‼︎』みたいな作品が、なるほど時代がそうなりつつあるのだな。

しかしながら、ものすごく個人的には、
過去に何人もの花嫁が谷底へ落とされ、
未だかつて誰もドラゴンの巣を脱出したものはいないとされてますが、
あの壁画の地図はどう言ったアレで作られたのでしょうか?

そこまで行っては戻って、行っては戻って、
みたいな感じで、歴代の花嫁等が一生懸命作り上げたのでしょうか?
少しだけご都合主義的な感覚になりました。
エロディはその辺は何も描かないし、
そらすごい精神状態で、後々に来る花嫁等に
あっちは危ないとか、こっちはセーフとか残すかなぁと思います。

ここじゃ、危ないはイコール死ですからね。
また、ドラゴンが意思疎通が出来るのが少しだけ残念というか。

だったらもっと早めに色々話して理解し合える人がいても良かったというか。
エロディの父親を殺す際にまぁまぁ交渉の余地みたいなのがあったので、
そこで『いや違うんや、聞いてくれ、俺たちは騙されたんや』って何で言わんのかなぁってすごく気になりました。

また、エロディは実際にはドラゴンに瀕死の痛手を与えた後に、例の治癒力のある虫みたいなのを使い傷を治したことで信用を勝ち得たというか。
実際の悪は誰だったのかの説明をする機会を得たと思いますが、

結果としてドラゴンによりあのすごく繁栄した国というか城が全焼するほどに燃やし尽くされましたが、

何となく首謀者殺すだけでも良かったなぁと思います。エロディが嵌められたのは事実だし、その辺の復讐に自分も参加しなくて良かったのかなぁと、
また、ドラゴンの溜飲は下がったのでしょうか?
ところであのドラゴンはどんだけ火を捌けるのでしょうか?エロディが逃げた後に山火事レベルで火を吐いてたので、結構なカロリーを消費してる気がします。時々落とされる姫だけで、燃料を確保できるのか少しだけ気になりました。

まぁ、この辺はもはやイチャモンレベルですよね。すいませんでした、、
とりあえずこの辺のイチャモンも含めて楽しめたのは事実であり、
何となく続編があっても良いのでは?と思いました。
でももし続編があるならば、絶対に誰かと結ばれるみたいな結末にはならないで欲しいと思いました。

攫われた妹をエロディが助けにいく話で良いです。全然。
この作品に関しては男はクソでいって欲しいです。
そこを売りにして欲しい‼︎


今回はこれぐらいにします。
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