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終わらない週末のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

終わらない週末(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

週末を避暑地で過ごす一家の話。

冒頭にあるジュリア・ロバーツの「人間が嫌い!」という台詞にはギョッとさせられましたが、この台詞が示唆する様に、人間の嫌な一面を見せてくる様な作品でしたね。

印象的だったのは、独特なカメラワーク。
頭上をクルクルと回ったり、窓を出たり入ったりと、不思議な動きをする事で、映画全体の不穏さや異常な世界観を演出していた様に思います。

物語的には、主人公一家を超常現象が襲うわけですが、どれもビジュアル的に面白く、引きつけられるものがありました。
船と飛行機の不時着、自動運転車の暴走はスリルがあったし、鹿やフラミンゴが集まったり、歯が抜けだしたりと、スピリチュアルで不気味な描写も印象深い。

そして、そんな異常事態の最中で描かれるのが、人間の偏見や不寛容さです。
目の前に困っている人がいるのに、疑ったり、無視したり、見捨てたり…。
この辺はコロナ禍のあれこれを思い出す人も多いのではないでしょうか。

しかし、本作はそれだけでなく、人と人が分かり合える事、助け合える事も描いていきます。
超常現象の原因が明らかになったりだとか、主人公達が救助されたりだとか、明確な答えが用意されていなので、モヤモヤを感じる人もいるかもしれませんが、それよりも大事なのは人と人の繋がりであるという事。

ストリーミングが見れなくなった時に、フィジカルメディアが大切になる様に、ネットが使えなくなった時こそ、リアルな人と人の繋がりが大切になるのかもしれません。
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