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ナイアド ~その決意は海を越える~のfujisanのレビュー・感想・評価

3.7
『いつからだって遅くない』

今年のアカデミー賞に絡んでくると噂される作品ということで視聴。

本作は、
64歳にして当時誰も実現できていなかったキューバからアメリカ・フロリダ半島までのフロリダ海峡を泳ぎきった女性、ダイアナ・ナイアドの物語。

英仏ドーバー海峡の4倍を超える距離と、殺人クラゲやサメが多い中でケージを使わず数日間に渡って泳ぎ続けるという過酷さ。さらに、64歳でのチャレンジという内容に、勇気をもらえた映画でした。

そんな実話ベースの映画で、ナイアドとコーチのボニーを演じたのが、アカデミー賞に4度ノミネートされている名優アネット・ベニングと、「羊たちの沈黙」「告白のゆくえ」でアカデミー主演女優賞を2度受賞しているジョディ・フォスター。

正直、前半は少し退屈な展開もあったのですが、後半はグイグイと引き込まれ、最後は涙ぐんでしまうほどの感動をくれた映画になり、後半をジムのランニングマシーンで走りながら見ていたのですが、気がついたら映画が終わるまで走り続けていました・・💦

以下、いくつかのポイントにまとめます。


□ 良かったところ

実話ベースの映画らしく、エンドロールでは本人たちが登場するのですが、これがとにかくアネット・ベニングとジョディ・フォスターにそっくりで驚きました。

ジャケ写から感じたナイアド(アネット・ベニングの厳しい表情)。それもそっくりだったのですが、これだけ過酷なチャレンジをする人だけあって、彼女は自分にも厳しく、他人にも厳しい女性。

おまけに、賞金も何もないチャレンジだけあって、彼女についていけなくなるサポートメンバーも続出するのですが、それをどう克服し、ワンチームになっていくのかという過程が良かったです。

ナイアドはその性格もあってか水泳連盟とも上手くいっていなかったようで、結局この偉業は正式に認定されていないようなのですが、多くの人に感動を与えたことは事実。

ナイアドがこの偉業のあとにも色々なチャレンジをしていることや、女優二人と本人たち二人による4ショットの写真など、後日談のエンドロールがとても楽しい作品でもありました。


□ 残念だったところ

ナイアドは合計五度チャレンジしているのですが、今何回目のチャレンジなのかについての説明が分かりにくかったでしょうか。

以下の通り2013年が最後のチャレンジなのですが、それが最後だという説明は無いんですよね。個人的には、もう少し盛り上げどころにしてほしかった印象です。
(今思い返すと、あえてそう演出したのかもしれませんが)

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メモ:キューバ~フロリダ間のチャレンジ
1978年、28歳で最初のチャレンジ、122キロ
2011.8、61歳で再びチャレンジ、肩の痛みで断念
2011.9、三度目のチャレンジ、クラゲにより断念 124キロ
2012.8、四度目のチャレンジ、再びクラゲにより断念
2013.8、五度目のチャレンジ
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また、ナイアドがここまで過酷なチャレンジをする理由は、学生時代にコーチから受けた性的虐待が大きな理由だったようですが、映画ではそう匂わせるだけにとどまっていました。

もしかすると、関係者に配慮しての演出なのかもしれませんが、クライマックスへの伏線にもなるファクターにしてはちょっと分かりにくかったかなと思います。


まぁ、そもそもお前が走りながら観てたからやん、っていう気もしてきたので、上に書いてることはあまり気にせず、お楽しみください😉良い映画でした。




2023年 Mark!した映画:320本
うち、4以上を付けたのは36本 → プロフィールに書きました
参考にした情報はコメントに書きました
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