肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

ニモーナの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

ニモーナ(2023年製作の映画)
4.0
隠された歴史の怨嗟は『シン・ゴジラ』
衝撃展開で貧民出でありながら栄えある騎士団に入団寸前で追われる身となった青年が色んな動物になれるモンスター少女とヴィラン徒党を組んだことから始まる凹凸コンビ・社会に中指🖕ロッキズム・アニメーション

あ、『シン・ゴジラ』というのは若干想起させるビジュアルが出てくるだけで、決して、決ッッッッッして怪獣アニメではありませんよ?
まあ最後は巨大化・大イベント化して映像を派手にしようという『私ときどきレッサーパンダ』、『クルードさんちのあたらしい冒険』で見られたプロットの「定型」と言えばそうですが、ここにもきちんとした"感動の一入"も演出されます。
某感動ドラゴンアニメシリーズのアイコン的名シーンのようだとは言わないんだぞっ!🤗

"近未来的中世"という変な世界観で、中世ヨーロッパの雰囲気がバリバリありながらもインフラ・技術はめちゃくちゃ近未来なSFという"違和感"が絶妙に新鮮に楽しめました。
主人公の衝撃展開からの転落人生で景色も暗澹たるものになり、"空飛ぶ車"+夜+雨とくりゃ『ブレードランナー』オマージュしかないだろうくらいに「中世SF」世界観なんですw

主人公バリスターが若者なんだろうけど、ヒゲ濃厚な"ザ・おっさん"見た目でいて(本国吹き込みはリズ・アーメッドというまんまそっくりな見た目w)、同期の騎士団ホープの同性恋人とラブラブな状態からスタートという、"キッズ・ファミリー向け"にありながらストレート(なにがストレートかの論議は控えまひょ😉)にキスシーンまで表現するというのもアニメ映画としては新鮮ですよね。

どんな動物にも変身できる少女ニモーナとの尖塔の立つ城からの脱出劇なんて、実写『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』でドルイドのドリックちゃんのシーンで全く同じの見たわ!と言いそうになるくらい類似・オマージュだらけで、映像の質もアニメと実写じゃランクが必然的に落ちますが、とにかくコメディテイストなんで楽しく観れますよw

世界観・映像から入りましたが、タイトルキャラクターとなる「ニモーナ」のキャラクターの魅力と主人公若年おっさん(?)バリスターとのなんとも微笑ましい凹凸コンビが見ていて痛快なんですよ!
"裏切り、格差、マイノリティ"というしっかりとした"メッセージ性"がありながらそこを破天荒に蹴散らしていくような、ポップで"ガールズロック"な"反逆精神"も多分に盛り込んでいて、カワイイのに"爽快"で応援したい気持ちも高まっていきます。
まさにニモーナの口癖の「ブチあげ」ですよ🤟

エンディングロールのガーリッシュピンクというよりオレンジめの"ブラック&ピンク"な一貫した色調もロックテイストで好感な印象を持ちましたね。
VOD全盛期にエンドロールまできちんと見る人なんてれっきとした映画好きじゃない限り希少種かも知れないのが残念ですが…

ニモーナの声は本国ではクロエ・グレース・モレッツさんですが、アニメは他国籍であれ"「吹替」が至高"を個人的に掲げているので、まだ吹替しか観ていませんが、日本版を演じる「白石涼子」さんのボーイッシュな"やんちゃ女子"の声が最高にニモーナのイメージにあっています!
やっぱり本国漏れっつでもこのエネルギッシュさに負けるかな?なレベルでぴったりな声ですw

同性愛の主人公ということで、彼もマイノリティとしてのメッセージ性はありますが、やはりタイトルだけに「ニモーナ」に対する感情移入がとてつもなくなると思うし、作風からも"女子(女性)のマイノリティへの応援歌"のような力強さを感じると思います。
"普通"とは違う見た目、言動、趣味趣向で周りか疎まれたり迫害され、中世ファンタジー風でありながらSFなのは、しっかり"SNS"からの"中傷と疎外"を意識される"現代システム"との共通点をダイレクトに感じやすくするため。
より「自分の物語」と感じる低年齢・女児こそ良くも悪くも(反抗的になる恐れもw)影響を受ける"指針"なり得るんじゃないかという"力強さ"も感じます。

だとすると、本当にショッキングな英雄グロレスとの日々をもっと丁寧に、バリスターの物語と平行して描けば、もっと満足度的にもハネたかも知れませんね…彼女の長年(年齢不詳100以上?w)の「怨」への感情移入も相当跳ね上がるでしょうから…

あと、是非観終わった後に見て欲しいのが、「予告など」のタブで見れる『ティーザー予告編2』です。
きっちり歌一本でまとめ編集された動画で、長々と書いた「女子に捧ぐメッセージ性」の魅力を単純に感じ取れる、満足度「ブチアゲ🤙」にしてくれるものになっていますよ😏