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コット、はじまりの夏のtoのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
5.0
予告編で、ストーリーが分かる感じがして、見ないつもりだったのだけれど、ベルリンで賞をとった作品と聞いて、見ることにした。
予想では、起承転結あって、感情の起伏や子供のわがままや(嫌い)、和解などをテンポよく見せる、ドラマっぽい仕立てかと思っていた。しかし、この映画では、子供はわがままじゃないし、説明もないし、ドラマというより、風の音とか、木々のざわめきとか、日の光とかが印象に残る。アイルランドの映画が国際的な賞をとることも珍しいらしい。こちらのとぼしい知識で、たしか、イギリスの近くの島国、だったよな(劇中にさりげなく地図模様が出てくる)、紛争があるんだよな(本作には関係なし)などと思い出す。島であることからか、海辺のシーンもある。緯度が高いから夏の夜は遅くまで明るい。あ、英語じゃないんだ、現地語があるんだ、といったアイルランドにまつわることを、映画を通して知る。

火曜の夜、ヒュートラ有楽町は、お客さんがけっこう入っていた。TCGメンバーは安く見られる日だとしても、映画じたいが、良い評判を醸成しているものと思われる。私の両側に座ったのは、でかいおっさんだった。小さい女の子の夏休みの話を、会社帰りとおぼしきスーツ姿のおっさんが見にきて、映画を楽しむ。東京のこういうところが、いいなぁと思う。
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