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パスト ライブス/再会のtoのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
5.0
映画は前評判などを入れずに見る派で
そのために2000円もする平日初日に見に行ったのだが
今回はたまたま、ヒロインの夫が「ファーストカウ」のクッキーと聞いていたおかげで、より楽しめた。クッキー派。しかしあの役者さんがユダヤ人とは知らなかった。アジア人の、日本か朝鮮半島か中国か台湾か、みたいなのはしっかり認識するのに、欧米人のそういうのはうとい。

お話はシンプルで、タイトルをしっかり綴る感じ。個人的には過去を掘り起こす趣味はないので、男女間の違いを感じた。特にザ韓国、みたいなキャラの男性のロマンチシズムには共感しない。

アカデミー賞最有力!という宣伝文句がすべって、作品の邪魔をしていた。

舞台はアメリカだが、移民女性と、韓国の平凡な会社員という男性を比較することで、韓国社会のいびつさも、間接的にあぶり出される。

30才台なかばでも、実家に住み、オンマに起こしてもらい、食卓に揃えられた朝食を食べる。彼女がいても、男性がじゅうぶん裕福でないと、結婚へと進めない。家庭では男の子が過度に大事にされ、学校、就職、結婚、家、子供と、重圧がすごい。親も子をみているようで、実はがんじからめの妄想をみているのではないだろうか。軍隊と会社は似ているところがあるという。下の者は、まず上司の仕事をこなして、その後に自分の仕事をするから、夜遅くまで働かなければならない。残業代は出ない。

この映画の男性も、場所がアウェイのアメリカだし、まだ恋仲ではないヒロインとの再会だから、謙虚で、ものごしも丁寧。しかし、この映画で描かれている部分ではないけれど、もし女性が自分のものになり、場所がホームに変われば、日常的にアーシッと怒鳴り、ナチュラルにマッチョを押し付ける韓国人男性に変わるんじゃないか?と妄想する。(韓国好き、韓国映画好きだけど、家父長制はいらんなぁ)
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