Yuko

コット、はじまりの夏のYukoのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.0
周りにたくさん人がいるのに感じる孤独は、物理的に一人きりの時に感じる孤独より、数倍きつい。その孤独をどう処理していいのかわからないコットの日常。
アイリーンとショーンとの新しい日常の中で、コットは孤独と向き合いながらも、ゆっくりゆっくり居場所を見つけ、そして実はアイリーンとショーンもかつて居場所だった場所に時間に戻れるのかもしれない。
口数が多くなるわけでもなく、劇的に快活な女の子になったわけでもないのに、明らかに前とは違うと感じさせるキャサリン・クリンチの演技は素晴らしかった。
コットのその後は語られない。でもエンドロールのバックで聞こえていた鳥の鳴き声や川のせせらぎの音、コットの「ダディ」というつぶやき。コットの新しい季節を願っている。
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