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コット、はじまりの夏のtottsunのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.0
「コット、はじまりの夏」🎬13
1981年、アイルランドの田舎町。大家族の中でひとり静かに暮らす寡黙な少女コットは、夏休みを親戚夫婦キンセラ家の緑豊かな農場で過ごすことに。はじめのうちは慣れない生活に戸惑うコットだったが、ショーンとアイリンの夫婦の愛情をたっぷりと受け、ひとつひとつの生活を丁寧に過ごす中で、これまで経験したことのなかった生きる喜びを実感していく。
周りの評価の高さに押されて鑑賞。
これから見る方は前情報入れずに見るべきだと思うので、この先に進むのはおやめください。
原題が「The Quiet Girl」のように、ほとんど音楽は無く静かな空間の中で進む出来事たち。
コット自身が本当に静かな性格であまり話さないからそういう音が印象的なのかも。
さらにその影響で彼女が投げかける視線が他の人と交わる様子などが興味深かった。
そういう直接的な描写だけじゃ無く、車の窓から見える外を流れていく景色、緑の木漏れ日…それらが彩る映画の表情がなんと言っても良い。
あの走るシーンはなんだか勝手に「フォレスト・ガンプ」の「Run! Forrest Run!」ってセリフが聞こえた。
この話はコット役のキャサリン・クリンチの演技抜きでは語れないと思う。
彼女が見せる演技によってアイリン&ショーン夫妻の前と自分の家との差がよく分かる。ショーンのぶきっちょさながらの距離感からだんだん近づいていく様が良い!
予告にもあったビスケットのシーンはきゅんとする。
私もああやって丁寧に髪をすいて、似合う服を見繕って、頭を撫でられたかった。
私的には☆☆☆☆かな。
映画見る前にとても細かくシーンごとの様子をレビューしてる方の文をたまたま読んでしまってネタバレしてしまったので、ちょっと後悔。
何も知らない中での歯車がハマった瞬間の感覚をもっと味わいたかったな。
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