ナーオー

クリスマス・ブラッディ・クリスマスのナーオーのレビュー・感想・評価

4.0
『人間まがい』、『ヴェテラン』など一部の好事家たちの間では絶大な人気を誇るジョー・べゴス監督の最新作!!

当初は1984年の『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』のリメイクとしてジョー・べゴスが売り込んでいた作品。しかしサンタが『ターミネーター』のような殺人アンドロイドというジョー・べゴス監督のアイディアが認められず、『悪魔のサンタクロース』とは無関係のオリジナル映画として製作した という経緯がある本作ですが、もし本作が『悪魔のサンタクロース』のリメイク/リブートとして製作されていれば、きっとオリジナルファンから受け入れられず酷評されかけないのでオリジナル映画として製作したのは英断だと思います。

『人間まがい』は『遊星からの物体X』
『ヴェテラン』は『要塞警察』
これまでの作品ではジョン・カーペンター映画からの影響や映画ファンなら誰が見てもわかるくらいの溢れんばかりのカーペンター映画のオマージュ。低予算でB級、でもそれはそれで楽しい、快作ホラー/アクション映画に仕上がっていたジョー・べゴス監督作。

しかし本作はジェームズ・キャメロン、特に彼の代表作『ターミネーター』の一作目のオマージュ全開。当時はまだ低予算でB級映画呼ばわりされていた『ターミネーター』一作目の影響を強く受けているのは一目瞭然。ボロボロになり、中の機械が剥き出しになったまま追いかけてくる姿は『ターミネーター』のT800を彷彿とさせる一方で、どんな状況でも歩いて追いかけてくる姿はジョン・カーペンターの『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズを連想。

このようにジェームズ・キャメロンの『ターミネーター』へのオマージュ、リスペクトをビンビンに感じさせる作風。けどラストは『要塞警察』になる というカーペンター映画好きさを隠しきれていないジョー・べゴス監督。

また過去作と違い、製作費が増えたのかロボサンタの見た目もかなり凝っており、後半は『ターミネーター』級のメカメカしい姿も披露してくれるなど『人間まがい』のようなチープさは微塵も感じさせない。

R指定の俗悪映画に相応しいゴア描写も満載。
斧で人間が真っ二つになったり……
頭を踏み潰され木っ端微塵になったり…
過剰なゴア描写も見応えありました。
しかも今回は子供でも容赦がない……

ただ本格的に事態が動き出すのが遅い、故にテンポが悪い という意見も多く、それも理解できます。とはいえ主人公トリを演じるライリー・ダンディ。この人がめちゃくちゃ魅力的。序盤の映画駄話。彼女の映画センスがめちゃくちゃ良い!笑
うんうん!!そうだよね!
『エイリアン コヴェナント』は傑作だよね!

非常に楽しい映画でした。
ジョー・べゴス監督、作品を重ねるごとに完成度が確実に上がってきてる。ますますジョー・べゴス監督から目が離せない!!

次は一体どんな映画を見せてくれる⁈
次回作が観るのが楽しみになりました!
ナーオー

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