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ビヨンド・ユートピア 脱北のJPのレビュー・感想・評価

3.2
凄まじい。普段僕たちが知ることのできない、北朝鮮の市井の人々の壮絶な日常と人生。徹底的に情報が統制されているため、北朝鮮の国外への想像力が完膚なきまでに叩き潰されている。「ジョジョ・ラビット」で滑稽に描かれていた、純朴な子供たちが独裁主義に洗脳されている様が、フィクションではなく本当に行われている恐ろしさ。聖書の盗用とかは流石に笑っちゃったけど、血の滲むマスゲーム、「憎きアメリカ」の教育、「金正日みたいね!」が褒め言葉、幼い頃から死刑の現場を見せられる、どれもこれも怖すぎて笑えない。

「この服を着たら韓国人に見えるかな?」
「息子の服のサイズすらわからないけど、彼が脱北に成功したら韓国人に擬態できるようにたくさん新しい服を用意した」(切ない…!)
「ブローカーや農家の方が、韓国人に擬態できるように服をくださったんです」
など、「衣服」の重要性が描かれていたのが印象的だった。
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