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デューン 砂の惑星PART2の広島カップのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
5.0
パトリス・ヴァーメットというアートディレクターが手掛ける美術はかなり満足度が高い。
砂だらけの惑星に生息する生物を想起させる飛行物体や無塗装?で重厚な金属製の巨大な乗り物、乾いた環境に則した建造物などのデザインが唸ります。それらの実存感覚が素晴らしい。
登場人物の関係やストーリーが少しくらい分からなくても3時間を充分に楽しめます。
目から直截的に入って来る情報があまりに圧倒的に楽しいのでアッと言う間に時間が過ぎてしまいます。そしてそれらを見事に繋いで、今から約一万年後の宇宙異世界イメージを仕上げた音楽とVFXが堪りません。
実存感が強いのでファンタジックなスターウォーズ・シリーズなどと違ってそんな遠い未来でも相変わらず生存競争を繰り返しているアホな人類?の性も印象に残りますがそれは特にテーマではないでしょう。
前述のアートで装飾されている壮大な娯楽バトルアクションです。

どうも次作に続いて行きそうなエンディングなので、これはもうヴィルヌーブ監督のライフワークと言っていいほど気合いの入ったシリーズとして後世に残ることでしょう。
カナダ人のヴィルヌーブ監督は今年56歳で、3歳下で今年オスカーを獲得したクリストファー・ノーラン監督共々、今後ガンガン行ってくれそうで映画ファンとしては楽しみしか無い監督です。
向こう30年、私が生きている間は素晴らしい作品を届けてくれそうです。まだ若い頃にスピルバーグによって映画の世界に引っ張り込まれた私は、両名によって映画の世界に縛り付けられたまま終われそうです。
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