2023.10.12
歌舞伎を映画にしたみたいな作品。能の「安宅」を下敷きにした「勧進帳」を元にした物語らしい。日本の芸能の移り変わりを感じる。
義経と弁慶たちが藤原秀衡を頼りに逃げ落ちる最中、関所を通る際のエピソード。義経よりも弁慶と関所を任された冨樫の人情物語という印象が強め。義経の露出が少なく、俳優は綺麗な顔をしていたけどそれ以上のインパクトはない。面白いのは劇中で歌が流れるところ。相変わらず何を言ってるのか聴き取りづらいから内容ははっきりわからんかったけど。こういう要素から和製ミュージカルと言われることもあるらしい。口上のようなセリフの言い方が歌舞伎らしさを感じさせつつ、映画でそれをするとミュージカルと捉えることも出来るんやなと思ったし、その表現方法の違いで感じ方が変わるのは面白い。
あとは強力役の榎本健一。エノケンて呼ばれ方は何となく聞いた事がある。喜劇の王様。これでもかというぐらい大袈裟な表情と、達者な口の周り具合が実に面白い。彼の存在が義経や弁慶、冨樫たちの熱い物語を喰ってしまうほど。強烈な存在感があった。