アーリーさんの映画レビュー・感想・評価

アーリー

アーリー

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生きる(1952年製作の映画)

4.8

2023.12.27

ビル・ナイ主演のリメイクが出た時から気にはなってた。黒澤明が描き続けた一般の人々によるヒューマンドラマの完成系。

突然死を宣告される、または意識すると人はどうするんやろう。間
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白痴(1951年製作の映画)

3.6

2023.12.9

ドストエフスキーの同名小説を元に、舞台を戦後の昭和に移した物語。

白痴とは重度の知的障害のこと。今作の主人公亀田は戦犯として処刑される直前に中止になり、しかしそのストレスから障
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羅生門(1950年製作の映画)

4.2

2023.11.3

ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品。
芥川龍之介の「羅生門」かと思いきや、「藪の中」という作品をもとに作った脚本。舞台設定や着物を剥ぎ取る要素を「羅生門」から追加している。
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醜聞(スキャンダル)(1950年製作の映画)

3.7

2023.10.31

マスコミに翻弄される男女二人と弁護士のお話。これまでの三船と志村喬の上下関係が逆転してるのが面白い。

たまたま安芸高田市の石丸市長と中国新聞の記者とのやり取りを見たところだっ
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野良犬(1949年製作の映画)

3.8

2023.10.30

安心安全のトリオ。今度は刑事もの。そのジャンルのスタイルを確立した作品らしい。

久しぶりに場面のワイプ切り替えが登場。
前半がちょっと退屈気味。地道な探索や追跡がずっと描かれ
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静かなる決闘(1949年製作の映画)

3.5

2023.10.27

前作から続けて三船黒澤志村のトリオ。
手術中に患者の梅毒に感染してしまった医師とその周りを描いたヒューマンドラマ。

とにかく三船演じる藤崎先生が聖人すぎる。「酔いどれ天使」で
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酔いどれ天使(1948年製作の映画)

4.5

2023.10.24

三船敏郎登場。のんべぇの医者とチンピラヤクザの交流を通して、闇の人間の業や、懸命に生きる姿を描く。

めちゃくちゃ面白かった。言葉は悪いけど芯を食ったこと言うし、全ては優しさか
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素晴らしき日曜日(1947年製作の映画)

3.4

2023.10.23

戦後間も無い日本を生きるカップルの物語。
実際にその年代に撮られてることもあり、ドキュメンタリーとして観ることも出来る。

とにかくお金がない。二人合わせて35円。家が10万円
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わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

4.5

2023.10.16

滝川事件とゾルゲ事件を一つの物語として纏め、その二つに振り回されながらも自分の生き方を見つけていく女性のお話。他人の脚本の作品。

帝国主義が蔓延し、戦争へと近づいていた時代。
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虎の尾を踏む男達(1945年製作の映画)

3.4

2023.10.12

歌舞伎を映画にしたみたいな作品。能の「安宅」を下敷きにした「勧進帳」を元にした物語らしい。日本の芸能の移り変わりを感じる。

義経と弁慶たちが藤原秀衡を頼りに逃げ落ちる最中、関
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續姿三四郎(1945年製作の映画)

3.7

2023.10.11

まさかの続編。何となく昔の映画って一回きりのが多いイメージやし、「白黒の続編作品」がもう既に貴重な体験。

そして続編といえばこれというような綺麗な続編。前作と同じように王道。
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一番美しく(1944年製作の映画)

3.4

2023.10.6

なんと黒澤の奥さん矢口陽子主演。今作を撮ったあと結婚したらしい。

女子挺身隊のお話。勤労奉仕の名の下に働かされていた、というのが今の時代に生きる自分のイメージ。彼女たちの葛藤や
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姿三四郎(1943年製作の映画)

3.5

2023.10.5

初黒澤明。とうとうこの時が来た。
明治15年が舞台。柔術を習いに上京してきた三四郎の痛快活劇。彼が人間的に成長していく姿も描く。

難しい話ではない。わかりやすくて王道なストーリ
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

3.5

2023.6.27

ほんわかした空気感をずっと漂わせながら、少しずつ大人になっていく少年少女を描く。

片親の家庭、もしくは片方の親が仕事でずっと家にいない家庭。親がいて欲しい時にいないというのは、
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あの頃。(2021年製作の映画)

3.5

ゆるーい雰囲気。今泉力哉作品感はあったように思う。
オタクという存在が最近は急激に増え、その地位が向上しているように思う。
2010年代前半ぐらいはまだまだ日陰の存在やったはず。コロナがもたらした変化
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his(2020年製作の映画)

3.8

2023

男同士の恋愛。作品としてこのテーマを描いたものを観るのは初めてかもしれない。

自分の気持ちを隠したまま、押さえつけたまま女性と付き合い、子供をつくり、主夫として生活する。あとからやっぱり
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街の上で(2019年製作の映画)

4.0

2023.6.7

若葉竜也主演。この人なんか癖になる。

長回しが多い。でも違和感ないし飽きない。
関西弁の女の子と主人公の会話のテンポが映画っぽくないというか、普段の感じが出てて凄い良かった。ちょ
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

4.0

2023.6.5

主演三浦春馬。それだけで悲しくなってしまう。

伊坂幸太郎の原作を鈴木謙一が脚本にし、今泉力哉が映画化。原作は未読。群像劇で全登場人物が絶妙に繋がってる上に、セリフまでもが時を超え
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.5

2023.6.1

初の今泉力哉。NCWの先輩。

好きな男に尽くしてしまう女性が主人公。彼からの連絡を一日中気にしてて、呼ばれたらすぐに飛んでいってしまう。頼まれてもないのにご飯を作ってあげたり、タ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

2023.5.13

劇場で2回鑑賞。結構なロングラン。売り上げは前作「天気の子」を超えた。

地震を今作のような感じで描いた作品は他にあるんかな。名前の通りミミズのような形をしたエネルギーが扉を通じ
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天気の子(2019年製作の映画)

3.7

2023.512

3回目ぐらいかな観るのは。観れば観るほどきつくなっていってる気がする。

かなり攻めた作品。子供が社会に対して反抗する時期の妄想をそのまま映画にしましたみたいな。銃の存在がいかにも
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.5

2023.5.11

当時高校生やった頃にめっちゃ流行った作品。あまりにも流行りすぎてて逆に劇場に観に行かんかったのは後悔もあるし、ある意味いい思い出でもある。

とてつもなく爽やかな作品。これまでの
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.8

2023.5.8

46分ほどの作品。前作「星を追うこども」とは違い、新海誠らしさが戻ったのと、「君の名は。」以降に繋がる作画や絵のタッチがみえる。ある意味ターニングポイント的な作品。

27歳の女教
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星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.5

2023.5.9

これまでの作品とは毛色が違い、ファンタジーものになっている。また、ジブリを意識して作られたらしい。

絵のレベルが格段に上がったように思う。人物の線が丸くて、動きに違和感がない。そ
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.8

2023.5.8

今作を観るのは何回目やろう。なんとなく「君の名は。」以前の新海誠の代表作みたいな雰囲気がある。

山崎まさよしのワンモアタイムワンモアチャンスが良すぎる。それに尽きる。もはやこの1
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

4.0

2023.5.8

新海誠の初長編アニメーション。声優に関してはあまりわからないけど、それなりに豪華なのでは。

かなり情報量の多い作品。どこから触れればいいのか難しい。その物語の世界では北海道がユニ
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ほしのこえ(2002年製作の映画)

4.2

2023.5.2

短編アニメーションやけど、前作「彼女と彼女の猫」が5分ほどやったのに対し、今作は25分。SFと少年少女の恋という、新海誠っぽさが充分に堪能できる作品。

ガンダムのようなモビルスー
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彼女と彼女の猫 -Their standing points-(1999年製作の映画)

4.0

2023.5.7

新海誠の自主制作短編アニメーション。猫が主人公で声を新海誠本人が担当。

全編白黒で描かれている。猫を通じてこの世界の嫌な部分に隠れた素晴らしさ、綺麗さを表現する。辛いことももちろ
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