夜明けのすべてのももものネタバレレビュー・内容・結末

生きることに不器用な人たちの生活の話だった。
自分は何か持病があるわけではないけれど、気持ちのコントロールがつかなくなることはしょっちゅうあり、平静を保っている時の自分とそうでない時の自分の乖離が激しく、二人の姿にかなり自分を投影させながら観ていた。

辛いことはある。
それを分かち合える相手がそばにいると言うのがどれだけ心強いか。
お互いに強くなくなって良いし、完璧である必要はない(そもそも人間は誰しも完璧ではない)のだけど、実はその弱さを分かち合えるということが生きる糧になったりする。

宇宙の話はこういった人間の生き様とは無縁に見えて、実はすごく強い結びつきがあるように感じられ、最後のプラネタリウムのシーンでは涙が出た。

三宅監督の作品は観るとだいたい泣くけれど、その理由がいつもわからない。
言語化できない、脳では処理しきれない、人間の心の深いところにある何かにやさしく触れてくるのだと思う。