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夜明けのすべてのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

雨で立ち止まる藤沢美紗と光の明滅の中で蹲る山添孝俊。自転車が通り過ぎるたびに二人の関係性に変化が生じる。蛍光灯の明滅で薬を発見し、雫を拭うことによって相手を慮る。気付けば彼らの行先は反転し(栗田和夫/光石研のメットを反対に被る動作で大号泣)、トンネルのシーンの反復は立ち位置が逆転する。その交錯そのものを星の光に転換し、社会の粗を探すための液晶は、同じものを見るものに変化する(髪切るシーンの写真も)。30年前の声を境に徐々にフレームの中で、同じことや同じものを見る人たちが増えていき、最後の長回しのエンドロールに帰着する。今、日本資本で撮られた実写作品としてはこれ以上の映画は望めないかも、とおもわせてくれる傑作。
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