襟

夜明けのすべての襟のネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

PMSの女性とパニック障害の男性が、恋愛的好意からではなく、共感から、お互いの痛みを理解し支え合う方法を模索していく

これはなかなか難しい話
フィクションだから簡単にできてはしまうけど、
観る側には常に「そうは言っても恋愛的好意があるんじゃないか?」的な疑いは常にある訳で、
それをどのくらいの程度で否定していくかが裏で常に走っている必要がある

主人公二人の俳優がもつ雰囲気、芝居、ひいては世間的イメージまで、
気を遣っているのが伝わってきた

男女でやる必要があるのか?とは思ったけど、
結果的にこのキャスティングが世間一般の観客を広く集め、
それが症状について世間に広めるという映画のひとつの役目を果たすことに繋がったのなら、
それは成功と言えるだろう…多分…

そもそもPMSの問題について、男性も目をそらすだけではいけなくなってきたという側面があるから、
やはり男女キャスティングは必然か

一方は片田舎の小さな企業で生きることを決め、一方は故郷に戻り介護と仕事を両立することを決めた
それぞれ自分の症状がなければ出会えなかった居場所で、自分の思った通りの道を見つけたという結論を、
「夜明け前が一番長い」という例え話で纏めるのは鮮やかで、
移動式プラネタリウムの最後のセリフが抜群にいい
良すぎてこれまでのシーンすべてがこのセリフのためだったのかとまで思ってしまった

家に帰って映画について何日か考えていたけど、
まあでも私ならどちらの立場でももう片方の人を好きになってしまいそう、
結局あの二人にしか奇跡の関係性は作れないかも、他人と生きるの難しい〜ね〜
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