Kto

AIR/エアのKtoのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
4.0
NIKEの世界的人気シューズ”エア・ジョーダン”ができるまでの経緯を描いたノンフィクション映画。

ジョーダンのスター性を参照しながらも、基本的には彼を取り巻く周囲の人達の奮闘やドラマに焦点を当てている。
ブランディングやプレゼン、商品開発といったビジネスの奮闘が活き活きと描写された”非常に優等生な作品”だった。

1984年のNIKEが舞台。
同時代のHIP HOPを多用したBGMのおかげで非常にfeel goodな見応えがある。
恐らく同時代を経験した人はもっと楽しいeaster eggが見つかるのだろうなとも思う。

テニスラケットのCMに着想を得たり、高校時代のジョーダンのプレイを見てビビッと来るところとか、演出がオーソドックスで非常に分かりやすい。ダイアログの内容が核心に近づくにつれて徐々にクローズアップするカメラや、ジョーダン説得のシーンのSEなど、撮影・音楽を含めた演出が総じてドラマを盛り立てるのに生かされている。

日曜日にしか会えない娘、”I have a dream”の逸話などタームポイントで挟まれるエピソードも全てがmeaningfulであり、ソニーの計画の重大性や成功へのヒントを示唆する役割を果たしている。脚本が優秀。

業界のビジネスモデルを覆す型破りな契約を提案する母親の総名さと先見の明も凄い。

CEOの登場やソニーのランニングなど笑いのテンポも良く、全体として1シーンも無駄がない優等生な映画だった。
全員に勧められる。

“A shoe is just a shoe until somebody steps into it. Then it has meaning. The rest of us just want a chance to touch that greatness. We need you in these shoes not so you have meaning in your life, but so that we have meaning in ours. “
Kto

Kto