完璧な色メガネ

アナログの完璧な色メガネのレビュー・感想・評価

アナログ(2023年製作の映画)
4.5
映画館で観てよかった。

家でパソコンで観てたら面白くなかった作品。

内容を要約すると恐ろしく単純で展開もあるあるな要素だけど、映画館で観ることで完成されていた作品。

物語は偶然行きつけのカフェで2人が出会うところから始まる。

主人公はほぼ一目惚れし、上手いこと食事に誘い出すことが出来たが、彼女はこの時代に携帯を持っていなかった。
そこで、「毎週木曜日に会いましょう」と2人だけの約束が結ばれる。。。

全ての演技に人間のちょっとした仕草が盛り込まれていて、本当に近くで眺めている感覚。

あと、アドリブなんだろうなぁと思う友人との自然な会話もよい。

2人の会話も、「実は私」みたいな自分語りが挟まらず、常に今ここで起こっていること、感じていることしか話さないから飽きたりしない。

最後に、リリーフランキーさんが本当にいい仕事をしている。
本作の中で、誰よりも観客の代弁者として、じっと聞き役をこなしながら、合間合間にワンカット挟まることで、今どういう空気感?なのか、教えてくれる。

好きなシーンとして、主人公が「会って来ました」と漏らすシーン。あそこで「どうだった」とか聞かず、「そんな顔じゃ喜ばないよ」と内容に踏み込まず、事実を伝え、一緒に受け止める。
聞き手の鏡だと学べるシーンだった。

面白いし、人間力的な物を学べる作品。
万人には受けない。絶対に飽きる人はいる。(特に男性かな?)
とても良い物語を覗けました。
完璧な色メガネ

完璧な色メガネ