yoshi44

ブルックリンでオペラをのyoshi44のレビュー・感想・評価

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)
3.4
これはある意味、問題作。
“アン・ハサウェイ主演のラブコメ”的な日本版宣伝に騙されてはいけない(騙す気満々だけど)。
原題は『She came to me』。彼女がやって来た。
劇中のシチュエーションから捉えるなら、“彼女が(インスピレーションとして)降りてきた”。

アン・ハサウェイ、ピーター・ディンクレイジ、マリサ・トメイの匠3名による恋愛模様はなんともシュールで非現実的、一切の感情移入を許さない展開。
しかし、子供達が対峙する現実では、人種、移民、差別、年齢が入り混じる現代社会に於けるリアルな問題が浮き彫りになる。
白昼夢のような恋愛劇と、現実の社会問題に立ち向かうロミオとジュリエット。

不思議なバランスの作品だが、主要3名の表現力が素晴らしく、先が全く読めない展開に唖然とする。

ところで、最近アン・ハサウェイに関するネット記事が目に入ると、“さらに若くなってる”“40代には見えない”のように、【年齢より若く見える】ということに言及したものが多くて、心から気持ち悪いと思う。
【若く見えると良い】ということを賛辞するゴミみたいな記事は根絶やしにしてしまえ。
アンは年齢を重ねてより一層美しくなっているのは事実。でもそれを若かりし頃の彼女自身と比べる必要は全く無い。

エンドロール、この声はブルース・スプリグスティーン!?と思いながら聞いていたら、なんと本作の為の書き下ろしとのこと。
ボスをも動かすアン・ハサウェイ。その衣装も素敵です。
yoshi44

yoshi44