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ヴァチカンのエクソシストのKHのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.6
2024年の年間ノルマ70本中10作品目。
見させて頂きました。

個人的にエクソシスト系と言うある一定のジャンルとでも言うのでしょうか?
はあまり得意ではないと言うか、好みの作品ではないですが、
コンスタンティンはすごく好きです。あれぐらい思いっきりエンタメに振ってくれると嬉しいと言うか。
なんとなく、悪魔を祓うのに十字架、聖書、祈りの言葉‼︎みたいな雰囲気が好きじゃないと言うか、

だったらブレイドみたいな銀の弾丸‼︎
5000カンデラくらい光るライト‼︎みたいな、
いやそれエクソシストじゃなくて
ヴァンパイアハンターちゃう?と言われそうですが、

今回はラッセルクロウなので期待したいと思います。

まずはネタバレなしの率直な感想をば述べます。

『まず、オシャレすぎね。ラッセルクロウ。
もうあのスタイルだけでも本当にエクソシストですか?と言いたくなりました。あれだけでもみる価値あります。
肝心の内容ですが、どうやら今作のお話が実話かどうかはわかりませんが、ラッセルクロウ扮する『ガブリエーレ・アモルト』と言う人は実際にいるみたいです。あんなにもオシャレでちゃめっ気のある人かは分かりませんが、
ただ基本的には『エクソシストモノ』の定番な部分もあり、過去のオマージュのようなシーンもあったりと
比較的楽しめました。その辺も詳しくネタバレで話したいと思いますが、
時間的にもさっくりと楽しめる作品だったように思います。』


そしてここからはネタバレを含みますのでまだ見てない方はご注意を、


個人的に今作で1番いいなと感じた部分は

『悪魔が実際にいるかどうか』を議論している部分です。
あそこの教会のお偉いさんとアモルトの会話はなかなか聞いててどっちの方向に転がるのだろう?と期待しました。

アモルトは冒頭で悪魔祓いをした村での出来事を、教会の許可を得ずに行った事を糾弾されますが、
そこでアモルトは
『精神を病んだ村人に対して心理療法を行っただけ』と告げます。

個人的に悪魔という存在に懐疑的な僕としては
『ただのジャンキーちゃうん???』とかなり疑って掛かってしまっている部分があり、
そんな彼らに心理的に語りかけ、
また時には自分を悪魔だと思い込んでしまっている人に対しては

『じゃあ俺の名前がわかるよな?言ってみ?』などと、悪魔以外では分かり得ない情報を引き出そうとしながら矛盾を攻めていき、

最終的にはお前の中の悪魔はこの豚に移った。そして豚は殺したからお前の中の悪魔はもういない。

と言う一種の暗示のような、催眠術のような方法で悪魔祓いを行なっていると割と強めに断言している。

ただし、98%はと、

しかしながら今作の物語は残りの2%の部分であり、またアモルトをヴァチカンのチーフエクソシストに推薦した教皇より、
スペインで何やら不穏な気配が、と、
おいおい、どっちもただもんやないな。みたいな感じで一路スペインへ。

冒頭で登場した噛ませ悪魔とは違い、
ヘンリーに取り憑いた『アスモデウス』は
アモルト以外知り得ない情報を開示して自分が本物だと証明してきます。


また、ここの子供の演技というか、まぁ吹替で見たので実際の声がどんな感じになってるかは分かりませんが、
演技をしているのは子供なので、その子供の本当に彼の中に悪魔がいるのでは?と思えてしまうほどの危機感迫る演技はすごかったです。
てっきりビッチなお姉ちゃんがセクシーサタンになるのかと思ってましたが、

と思ったらお姉ちゃんもガッツリ取り憑かれて首が逆方向を向くや、蜘蛛のように歩くなどはエクソシストモノの定番というか、
流石にブリッジダッシュみたいなのは無かったですが、天井を四足歩行で駆け回ったりはこの手の作品のお約束なのかなと思いました。

ただ、個人的にエクソシストモノというジャンルがあるかどうかはわかりませんが、
ここがなんと言うか納得しづらい部分ですが、
解決したのはエクソシストの力なのか。
それとも神の御技なのか。
それとも取り憑かれたモノたちの信仰心なのか。
が、非常に曖昧で、結果的にどうして悪魔が居なくなったのかとかが分かりずらいと言うか、納得しずらい部分にあります。

あんな状況になればもう神を信じるぐらいのことしか出来ないにしろ、
だったら初めからロザリオをデコにくっつけたらええやん‼︎とか、
ずっと祈ってたら良いのに!とか、
聖書で頭どついたらええのに、みたいな期待がすごくあったと言うか、

ラッセルクロウだったらパワー技で悪魔成敗できちゃいそう。
エクソシスト版、マ・ドンソクみたいに考えてただけに、あー、やっぱり終わりはこんな感じになっちゃうよね。
って気がしました。

ただそれでももちろん楽しめましたけど、
なんか本人の力というよりは、神様の気まぐれ感で助かったりしたんかなぁみたいな。

助ける気があるなら初めから取り憑かすなや‼︎みたいな、、全知全能やろ‼︎みたいな矛盾を感じざるを得ないというか、
これこそが宗教というものを意識せずに生きている人間の思考なのだと、

でも自分の息子がああなったら俺もやっぱり祈るんだろうなと思います。

今回はこの辺で、
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