ヘソの曲り角

ヴァチカンのエクソシストのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.3
なんかTwitterで聞いてた印象と全然違う。なんでもかんでも関係性、萌えで雑に消費しようとしないでくださいよ。ラッセル・クロウ武闘派役じゃないし、即席助手の人との関係性見出すの無理筋だし、そもそもオチが全然よくないし。教皇庁の性的虐待黙認(悪魔黙認もだけど)に関して何のお咎めもなくめでたしめでたしみたいになってるの今作られる映画として雑すぎ。何がヴァチクソやねん。

話としても意外とワンシチュエーションものなので負けそうになって準備してを繰り返すから若干間延びしてる。エクソシストものの宿命なのかもしれないけど。あと人の悪魔祓いをしつつ、悪魔に付け入られないようにエクソシスト側もトラウマを自己治療していくってのがメインになっていた。結局①唱え続ける②悪魔の名前当てるで勝ちだから被憑依者の問題は体力だけであとは祓う側の問題なんすよね。

作品全体で悪魔っぽい症例は3回あって①精神疾患っぽい→悪魔でした〜②めっちゃ強い悪魔③回想の子は精神疾患ただし性的虐待受けてた、という分類になる。これ要は(近代的な心理学的見地のないという意味で)専門家ではないエクソシストが悪魔に憑かれたっぽい人を診続ける限界を示しつつヴァチカンのお偉方も悪魔同然だ!ということを言っているのかなと思った。だとすればなおさら教皇庁に打撃を与えるのが物語としてのいいまとめ方だと思うのに、その辺がなあなあでちょっと着地でズッコケてしまった印象。

ラッセル・クロウはうまい。スクーター移動のエクソシストは斬新だった(ここはTwitterの人たちと同じ感想)。悪魔役の子どももよく頑張った。