スペインいきたい

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのスペインいきたいのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます




・YouTubeで流れた広告が気になっていたので公開日に観た。脚本がいい。冒頭5分で早速人が死んで展開早いな!?と警戒したけど杞憂だった。ミアのラストはかなり好き。めちゃめちゃ綺麗なオチ。
・こっくりさんをやったことがある人にはより刺さる映画。小さい頃自分の家とか友達の家とかでやったなあと懐かしくなった。呼んだ霊は帰さないとまずいというのは古今東西共通なんだなと思う。とはいえ今作は手を握らないとえらいことにはならないので観た後の怖さの余韻はあまりないのもいい。見聞きしたら伝播する観客巻き込み型は後を引くので…。
・演出のいやな感じも豪快ホラーというよりはじっとりめだったのでジャンプスケア極振りが苦手な身には助かった。音楽はその分ちゃんと来るのでちゃんとびびりながら観た。観終わった後は手汗がぐっしょりしていた。
・ミアがこっくりさんに固執するのも、ちょっと友人コミュニティで浮いてる感じと母親を亡くした背景とがいい塩梅で示されているのですんなり納得ができた。
・オーストラリアの映画ということをイントロの配給・制作の表示で知ったので、野良カンガルーが瀕死になっているシーンで面食らった。最後までうまくモチーフとして作用しているのがよかった。瀕死のカンガルーを介錯してやれなかったミアはライリーにも手をかけられない。
・構成がきれいだから劇中で起こるであろうことの前フリをいい感じに(キャラを無駄に消費せず)してくれるので、ああ〜〜〜ミアだめだよ〜〜〜それパパだよ〜〜〜と最高にいやな時間を味わえた。
・母親もこのこっくりさんで死んだのでは?と思えてならない。パパがミアに刺されたのはパパが手を見つけてこっくりさんをしちゃったから、ということはパパがやり方を知ってないとおかしいので、ママから聞いてたか何かではなかろうか。このあたりミアの視点かパパの視点かがわかりかねるので、実はミアの幻覚でしたと言われても納得できる。
・ずっといる霊ママだけど、ミアが90秒オーバーしちゃった霊はママじゃなかったので憑いてる霊の真似なんだろうなというのがなんとなくわかってしまい(ミーって呼んでなかったしな)、本人はいい方へ向かおうとしているのに観客には破滅が見えてるのがしんどい。ミアが鬱持ちって明かされてるのもミアの視点が信頼できなくなるポイントなんだろうなと思う。
・ライリーに憑いてる霊、途中から明らかにママじゃなくなって老人に見えたのはなんなんだろうな、ミアの心象風景なのだろうか
・愉快な音楽でこっくりさんキメてるシーンからの急降下でライリーが被害者になるの、展開がいいジェットコースターだった。若者の安易な行動への批判というか警鐘なのかなと感じる。ルールを守ればヤバい火遊び程度で済むのでドラッグとかよりはましなのかもしれない。ライリーが気の毒すぎたけど、その文脈でいくと責任取れないなら未成年巻き込むんじゃねえぞというメッセージを感じた。それにしてもライリーが可哀想すぎる。おかしくなり出したのも90秒より早かったしライリーが何をしたというのか。
・ダゲット?の兄が「ずっと体内に入れとけば霊は弱る」ってどうやって知ったのかは気になるけど、この脚本の監督がそう言わせているならきっとそうなんだろうなと信じられるくらいには脚本がしっかりしているので、ライリーが回復に向かっているのは真実だと思いたい。