ぶみ

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのぶみのレビュー・感想・評価

4.0
霊、ヤバい、キモチいい。

ダニー・フィリッポウ、マイケル・フィリッポウ監督、ソフィー・ワイルド主演によるオーストラリア製作のホラー。
90秒の憑依チャレンジに参加した主人公等に巻き起こる不可解な出来事を描く。
主人公となる高校生・ミアをワイルド、友人・ジェイドをアレクサンドラ・ジェンセン、ジェイドの弟・ライリーをジョー・バードが演じているほか、ミランダ・オットー、オーティス・ダンジといったオーストラリア出身のキャストが中心。
物語は、面白半分でセラミック製の手の置物を使った憑依チャレンジをしたミアやライリーに、何かが乗り移ったことから起こる様々な出来事が描かれるのだが、冒頭、ホームパーティーにおける長回しからの衝撃的なシーンでスタートするため、先ずは掴みはOK。
ミア等が行う90秒チャレンジ自体のルールは至ってシンプルであるため、誰がどうなっているのかの把握は容易であるとともに、前述のキャストが、ほぼ無名であると言っても過言ではないことから、ミアを筆頭とした登場人物をフラットな目線で観ることができたのは、キャストによる死亡フラグの優劣がわからないので、ホラーとしては有利に働いたところ。
また、スクリーンで流れる予告編ぐらいの情報しかない状態で鑑賞したため、街中の光景に、何か違和感があるなと思っていたのだが、観終わった後にその原因が判明。
それは、本作品はてっきりハリウッド製作かと思っていたのだが、実はオーストラリア製作で、日本と同じ道路が左側通行であるが故に、登場する外国車が全て右ハンドルだったことであり、海外の街並みの中を海外のクルマが右ハンドルで走行しているのは、なかなかレアな光景。
そのため、漠然とした違和感を常に感じていたのは、私だけのことかもしれないが、これもまた日本で観るホラーとしては、面白かったところ。
細かい内容については、あまり触れることができないが、所謂ザ・ホラー的に驚かすような演出は少なく、現代の若者がドラッグ感覚で憑依を楽しむ様は、しっかり時代の空気感を反映させたものであるとともに、短い尺の中で中弛みすることなく、きちんと起承転結が整理され、キレ味素晴らしいラストの余韻が堪らない良作。

ガンを楽しんで。
ぶみ

ぶみ