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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのこどものレビュー・感想・評価

3.7
老害なのでユウチウバーなど家畜の餌になればいいと思っている人間なのだが、我らがA24のホラー興行収入を更新したとなれば流石に観に行かなくては…などと逡巡しているうちに劇場公開が終了してしまったため、アマプラのレンタル開始と同時に視聴。

ほんとに長編映画初監督か?ユウチウブなど辞めて普通に映画撮ってくれ。
子気味いいカット割りとカメラワークで「降霊」のトリップ感をとても巧く演出している。そもそも「憑依」という現象自体が非常にパーソナルなものであって、当人が陥っている視覚的、或いは聴覚的な異常を、映像を通して第三者に伝えることは難しいはずなのだが、巧い演出が功を奏して、我々もあの背徳と甘美のパーティーの当事者として観ていられるような説得力があった。時折挟まれるジャンプスケアやゴア表現で、過去の名作ホラー映画へのリスペクトを感じさせつつ、「降霊」という超個人的体験から敢えて意識をバラけさせることによって、逆に観客に一貫した客観性をもらたしていたのが見事だった。

演出面や画的な要素では輝くものがあったが、反対にストーリー展開の面に於いては不満が残った。
本来難しいところの無いストーリーであるはずなのだが、降霊まわりのルールがやや説明不足でスッキリしない所がある。特にラストシークエンスにかけては、観客に議論の余地を残したくて敢えてそうしているのは分かるのだが、もう少しシンプルにしてもよかったのではないだろうか。
あとは主人公のミアがポンコツ系主人公だったのが個人的にはマイナス。
ホラーで『ブラザーベア』的映画は反則的な不快指数を叩き出す。
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