このレビューはネタバレを含みます
🟨【良かったところ】
序盤、兄貴が刺されるのは
包丁抜く音で前振りされてたから
分かりやすかったけど、
直後自分の頭部刺すときの勢いが
反射神経のそれだったので
予想できずひっくり返った。
車の中でミアとライリーが
chandelier歌ってるとこの、
声高い部分が歌えないのを楽しんでる描写好き。
予告編の印象から
ミアは【ノープ】の妹ぐらい
ファンキーなのかと思ってたから、
いい意味で陰な感じあって
距離感がグッと縮んだ。
一回目の"トークトゥミー"で
いきなり90秒超えちゃうあたりの
展開の素早さ、大賛成。それでいい。
予告編で大きく扱われてる
"トークトゥミー"チャレンジは
作品の掴みでしかなく、その遊びを
物語を前進させるためのアイテムとして
利用する形に変形させるのが面白い。
憑依された状態のライリー、
動きとしては頭打ちつけてるだけなのに
頭から大出血してるとか
額が割れてきてるみたいなダメージ描写の方で
観客ぶん殴ってくるの強烈だった。
人(自分)の目ん玉エグりにかかる映像、
イタチと上林以外でやってるの
久々に見たし、あの頭の打ちつけ具合
おそらくライリーに降霊してたの
ハリーポッターのドビーだと思う。
合言葉として「話したまえ」がくると、
ハモりたくなってくる。
「なにかが始まる」感の演出として
カッコよかった。
【ローズマリーの赤ちゃん】由来の
悪魔集会みたいなあの描写、
悪魔系のホラー映画では
天井に位置する描写だと思ってるから
【ヘレディタリー】とかもそうだけど、
ああいう描写が入ってくるだけで
立ち入っちゃいけない危険な香りがして好き。
あのタイミングで
血を流しながら歩くカンガルーの描写
挟んでくるの面白かった。
ミアが死の世界に進み始めるのを
前半のカンガルーで決定づけてくる
映像表現に感心しちゃった。
ミアが車の前に飛び出して自殺するシーン、
車の車内からそれを映してるのが
最高に迷惑なリアリティしてて参った。
ライリーか元気になって
退院してるような描写挟むの、
スムーズにやってて良い。
ミア自身が
トークトゥミーの会話相手になるっていう
あのラストカット、
ここ最近でいちばん良かった。
ルフィがゴールドロジャーと
同じ最後を迎えて死ぬとか
デクが「君はヒーローになれる」
って子どもに言って終わるとかって
予想されてたみたいなアレ。
一巡して終わるだけのラストなんだけど、
この作品にはこの終わり方しか
ないなっていう説得力があった。
定番な作りで一本取られた感じ。
🟥【気になったところ】
ミアがとことん可哀想な状況に
追い込まれて死ぬので、
もう少しミア自身の悪ノリが過ぎたとか
身勝手なことした報いとして
あんな悲惨な状況になってる
みたいな作りだったらさらに好みだった。
自殺したお母さんの霊と
会話できる状況が舞い込んできたら、
そりゃあ自分を優先して
延長しちゃうよなと思うし。
あとライリーにお母さんが憑依した回だけ
他のチャレンジのときに比べて
明らかに「お時間です」って言われるの
早すぎだった。50秒とはいえ
あの段階でお母さんと離れられるわけない。
ミア以外の観客には、どう見ても
悪魔が唆してるようにしか見えないから、
ミアと観客には
ちゃんとあの悪魔が
綺麗なママに見えるようにして
オチがくるまでママがどっち側なのか
分からないようにしてれば
もう少しミアの動きに共感できたかも。
ミアのパパ、
その場の勢いというか
おまけ程度に刺されてて気の毒だった。
結局 生きてたのか、
死んでしまったのか分からなくて
ほんの少しだけ気になる。
ありがとうございました。