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12日の殺人のせっのレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
3.8

21歳の女性が焼き殺された事件、捜査を進めていくと被害者は異性関係がかなり奔放だったことが分かっていく。容疑者となりうる男は数多く、捜査対象の誰もが動機を持つ。お互いに恋人がいることを許容する男、過去にDVで捕まった男、喧嘩により憎悪のラップを作った男など。でもそんな容疑者たちと余り変わらない、刑事の姿が映し出される。

長時間労働後も妻が浮気しててどうのと愚痴る中年男(恋愛なんかより仕事しろよ💢と思った笑)に半年しか付き合ってないのに完全にお熱な若者。自分自身は独身で帰ってからもずっと仕事してる主人公すら、事件にのめり込んで、自分の中に彼らと同じ暴力性を見てしまう。刑事を通して普通の人たちも嫉妬に駆られたら何をしでかすか分からないあやうさを描いてるのかなと思った。

3年後、再捜査される時に男ばかりだった捜査員たちに女性が1人、その他女性が捜査に介入して新しい風が吹くのだけど、事件の進捗は変わらない。当時の捜査員が男だけだったのが特段ダメという訳でもなく、女性がいれば解決できたのかも?でも変わらないかもね?ぐらいの、遠慮がちな主張が好感持てた。
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