衛星劇場のOVA特集の1本。支配者の黄昏と同じく90年代マッドハウス制作だが、今作の方が面白く見れたかな。

他人の精神の中に入る技術・サイコダイブが発明されている世の中。人の深層心理に入り込み精神治療や洗脳が可能となっているが、サイコダイバー自体にもリスクが高い。
サイコダイバーって設定が、筒井康隆・今敏のパプリカに似ているが、やはりパプリカには及ばないんだよな。

フリーのサイコダイバー・毒島はアイドル歌手・叶雪へのダイブの依頼を受けるが危険な状況に拒否。芸能事務所の不穏な思惑と、更に叶が通うあからさまに怪しい宗教団体の妨害を受けながらも毒島は仕事を引き受ける。
叶のマネージャーと良い仲になるが、彼女は殺されてしまう。
叶の用心棒の空手家と宗教団体に乗り込む。母親である宗教の創始者が、自分以上の超能力が叶雪あることから後継者にしようと企み、実は父親の芸能事務所の社長も自分の欲望のために利用しようとしていたことがわかる。父・母の野望を阻止し、叶雪へダイブし彼女を救う。

まず、本来のテーマである精神へのダイブの描写が弱い。パプリカと比べるのも酷だがコレが一番肝心なシーンだもんな。
叶雪の超能力の描写も弱い。結局サスペンスの部分だけしか物語の見せ場が無かったと思う。
50分程度の中短編としてはサスペンスの面白さは十分あっただけに惜しい。やはり1時間半強の作品で見たかった。

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