トランスマスター

けんか空手 極真拳のトランスマスターのレビュー・感想・評価

けんか空手 極真拳(1975年製作の映画)
3.0
♯77 『空手バカ一代』三部作 第一弾

千葉真一主演
極真空手の創始者 
ゴッドハンド
大山倍達をモデルにした
漫画の実写映画

昭和バイオレンス・アクションですが、
令和時代の価値観で視聴すると
ツッコミどころ満載のコメディに熟成されています。

誰もこの作品を見ないと思いますので
これより下はネタバレを含みます。
【spoiler alert】

終戦間もない昭和24年の京都が舞台。
全日本空手選手権に飛び入り参加した
【豪鬼】のようなボロ空手着で参戦した
大山倍達が優勝する。
千武館の館長(成田三樹夫)の誘いを断りフルコンタクト空手へのこだわりを貫く。
ここまではまだ想定内。

ここら辺からぶっ飛んだ内容です。

自転車で人力車を引く主人公は、
客の進駐軍の米兵と日本人の女通訳を乗せて自転車を漕いでいますが途中で客の米兵にいきなり暴行を加え怪我を負わせます。
さらにその場で女性通訳(多岐川裕美)をレイプします。
【犯罪者です。】
そしてその直後に被害者女性に求婚します。
【サイコパスです。】
しかも被害者女性はそれを受け入れます。
【謎です。】

しかし米軍のMP(憲兵)に逮捕→
米軍基地に連行され
黒人ボクサーの軍人に勝てば釈放。
負ければ銃殺という条件で
空手家VS米兵
リアル『ストII』がコーラ瓶割り自慢からスタートします!

その後は
牛殺し
短刀で襲ってくるヤクザを撲殺
そのヤクザの家族に償い
警察官が弟子を公務執行妨害で射殺
日本千武館の空手家軍団VS主人公の
草原での果たし合いの際
空手家が拳銃を撃ってきたり
遺族への贖罪を終えたばかりの主人公が、
なんの躊躇もなく棒を敵の口の中に突き立て殺害したり

超破天荒な映画です。

◆良い点/注目ポイント
・ユーロ圏の映画のように、話の展開が全く予想できません。
・昭和中期の治安の悪さが、ヨハネスブルク並みです。
・千葉真一は、日本の少林寺拳法の開祖
宗道臣の半生を描いた映画
『少林寺拳法』でも
主演をしていますが、
今作でも作品の対象となる武道の技を見事に再現できています。
・ヴィランのボスが、成田三樹夫というキャスティングが渋いです。

◆改善点
・忍者との死闘
太極拳との異種格闘技戦
目潰し攻撃など
段々空手というカテゴリーから
遠ざかってしまっています。

◆総括
・この映画を楽しむ方法が一つ有ります。
それは…
『仁義なき戦い』シリーズを
全て見ることです。

その理由は、
次の作品のレビューで解説します。
お楽しみに!

-2021年77本目-