モリユウキ

窓ぎわのトットちゃんのモリユウキのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
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でんぶは海のものと紹介するところと、小児麻痺でみなと同じように散歩に行くことを躊躇う泰明ちゃんのために図書館を用意するところには目頭が熱くなった。
小林校長はリトミック教育の先駆者とのことだが、作中で印象的だったのは子供達に事実をそのままやらせる、みせることだなと思った(海のもの山のものの明示、肥溜めの汲み取りを気が済むまでやらせる、電車の搬入を見せるなど)。
今だと学力をどう保つかとか、安全上の縛りなどで色々と制約が厳しくなってしまいそうだが、「次はどんな学校を作ろうか」と仰ったあの言葉を我々は継いでいきたいですね。
一方でトットちゃん始め、登場する家庭や教員の資本力とリテラシーの高さは一般のそれを大きく越えていたと思う。世間一般では経済的事情からこうした心ある教育に浴することができないご家庭もままあったはずだということは心に留めておきたい。

ラスト近くで泰明ちゃんの葬式から逃げるように走り出した先ですれ違う、出征祝と戦争ごっこをする子供達の様子が、生きたくても死んでしまう子もいるのに!というメッセージとして戦争への意見を表明しているなと感じました。