スカポンタンバイク

アイドルマスター シャイニーカラーズ 第1章のスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

3.4
なんというか、言いたい事が本当に色々あるなぁという感じですが。なので、ストーリーの全貌がわかるほどではないにしてもネタバレは含みます。ご了承くださいませ。

◯はじめに
まず、映画を映画館で観ることの意義を心底信じている立場の私としては、テレビシリーズにする予定のものを雑に繋いで1本の映画的に劇場上演するというのは、あまり関心はしていないです。ただ、まぁそこに関しては、これだけ現代で先行上映が普通になって、それで上手くいってるわけですから、ここではそこについての批判は評価に影響しないものとして扱います。
あと、端的に驚いた事として、本編後に謎の撮影会が始まったのは劇場体験としては凄い異常で、未だ体験した事のない映画体験として面白かったです。

◯シャニマス知識レベル
全くの初見です。
絵は見た事あるくらい。
最近アイマスチャンネルで斑鳩ルカってキャラクターが凄いフィーチャーされてるなぁという印象。(なんでなのかは分かってない)
ゲームも未プレイ。
本作を観るまで、283をなんて読むのかも分からなかったです。2(ツ)8(バ)3(サ)って読まれて「あー」ってなりましたね。数字を英語読みしたのは初めてかな?

◯端的な本編の感想
まず、3DCGのアニメーションとしては文句ないくらいによく作ってくれてるなぁと思いましたね。特にあの独特のパステルカラー調な彩色をちゃんと再現してて、「おー」ってなりましたね。これに比べてミリオンはもうちょっと予算なんとかならなかったのか、とか思ってましたが、帰ってから見直してみたら、ミリオンも思ってた以上にちゃんと作ってる事が分かり、3DCGへの違和感が先に立っていただけで、それぞれ世界観を成り立たせるためにちゃんと作ってる事に気づいて、嬉しくなりましたね。
次にそれぞれのユニット活動とライブシーン。特に放課後クライマックスガールズですね。3DCGのモデルがあるからこそのアクロバットな動きをいっぱいやっていて、3DCGを有意義に魅力的に使っていて凄く良かったです。
世界観の構築って所では、アンティーカはまぁ凄かったですね。監督が製作するって話ですから、やはり製作陣としても気合いが入ってるのが目に見えて分かる感じがありましたね。

◯今作での推し
箱では、放課後クライマックスガールズがもう圧倒的に好きになりましたね。果穂ちゃんも良いし、それに着いてきてくれる4人っていうのも凄く優しくて好き。別に全員が全員ヒーロー大好きって事でもないから、誰が中心になるかによって色んな事ができそうな一番可能性を感じたユニットですね。
あと、単体ではアンティーカの恋鐘ちゃんが好きでしたね。あの世界観のユニットでこの子がセンターやってるってのが、凄いグッときましたね。ああいう一途に「アイドルやりたい!」って勢いで突っ走ってくキャラクターには本当に弱いですねぇ。

◯モヤモヤ感想
まず、一番に観終わってから気になったのは、全編にわたる本筋になる話がないというか、全然進んでないって所ですね。1話で「W.I.N.G」なる大会?が目標として設定されてはいましたが、そこに向かって盛り上がるわけでもなく、そもそもの大会が何なのかよく分からなかったです。そこがないのも影響してか、本来主役であるイルミネーションスターズはほとんど空気だなぁと思いましたね。ミリアニだと下積みから頑張るぞいって所をフォーカスしてるため、それ自体が本筋として働いているのに対し、シャニアニはそれぞれのユニットが独立してそれぞれに野放図に活動してる感じが強く、活動に至れてないイルミネーションスターズが絵的イベント的にかなり不憫な事になってるなぁと感じました。
次に、話の構造についてですが、本作は4話分を1本にまとめたもので、その内3話は3ユニットを中心にしたユニット活動を1話ごとに見せられます。これは「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のアニメでも気になった事なのですが、1話でキャラ1人または1ユニットの起承転結をやって、それで12話分作るってやり方は、物凄くソシャゲのストーリーコミュ感がしたんですよね。ゲームをやってないから分からないんですが、シャニマスのゲームイベントの1つをアニメ化した感じなのかなぁ?って思ったんですよね。そこは何か良し悪しあって、1話1話のクオリティってのはそれで担保されるのかもしれないけれど、全体として観た時の詰め合わせセット感っていうのが、全体をまとめる骨子がない弱さを否めないなぁと思います。まぁ、シャニマスは一通りのユニット紹介が終わったという事で、第2章からは本筋に力を入れるという展開の可能性がまだあるので、そこの展開には期待していきたいですね。

◯苦言ポイント
色々あるにはあるんですが。不快な要素もあると思いますので、ここからは無視して頂いて大丈夫です。

まず、話ごとのタイトル。フォントと出し方、もうちょっとなんとかならなかったんですかね。パワーポイントの資料じゃあないんだから。せめてテレビシリーズと開き直って「第一話」とかつけてくれないですかね。タイトルというか、ポエミーな言葉が真ん中にドヤ顔で置いてあるようにも見えてしまいました。
次にED。その前にライブで盛り上がった所で、同じ曲のBGMを流すってのはどうなのか。正直ダサいなぁと思いました。2曲目をそれぞれのユニットごとに用意するのが難しいとかあるなら、ED用全体曲を1つ作ってユニットVer.で違いをつけるとかあったでしょうに。サイゲマネーで作られたU149みたいな異常な事をどのアニメにもできるなんて、こっちも思ってないですから、その辺はもうちょっと工夫をしてほしかったですね(U149にも言いたい事は色々ありますが)。

次に演出面。世界観の構築自体は褒めたんですが、細かい所が本当に気になりました。
まず第一話での真乃ちゃんをスカウトする所。
現実問題として、ラララ〜歌いをするってそんなにあるんでしょうか?しかも、それを聴いてプロデューサーが「スカウトしよう」ってなるってのも、うーん。歌唱の上手さよりもラララ〜歌いの方に引っかかるくらいの私としては「あ、Pそこ引っかからないのか」とビックリしましたね。あと、「スカウトしよう」って思うのはいいんですけど、アイマスだったら恒例のようにやるアイドルに魅了されたハァァって顔を正面で捉えるってのがあると思うんですが、それやんなかったのは「うーん」って感じでしたね。あの恋をしたような瞬間って絶対大事だと思うんですけどね。そこからのPさんの2日に渡ってのスカウト。1日目でキッパリ断られてるのにしれっとまた声をかけてくるP...。顔がハンサムなだけで、やってる事はデレアニの武内Pと同じはずなのに、この扱いの違いは何なのか。顔か、やはり顔なのか(竹内Pが可哀想だろ!w)。そして、何より問題は真乃ちゃんの心境変化の理由がイマイチよく分からないんですよね。凄くフワフワしてる。だから、「アイドルになります」と言われても、「お、おう」という感じ。結構問題だらけな導入だと思いました。
次に第二話。まぁここはそんなに言う事はないですかね。カッコよかったです。
次に第三話。ここは好きな要素も多いというか、甘奈ちゃんが良いですね。デレマス担当としては、久川颯に重なる所があって、結構ウルっとさせられましたね。ただ、あのフラワーイベントでの姉弟の話が本当になんだかなぁという感じで。あれは「好きな花を前のバケツから取って好きなように生花を作ってください」って進行にしてれば何も問題なかった話ですよね。運営の問題というか、普通はそうじゃねえのかなぁと思ったんですよね。だって、いつから置いてあったのか知らないですけど、テーブルの上に水にいれてない花を放置するって、そんなに良い事ではないと思うんで、使う前まではバケツの中に入れておくもんなんじゃないかなぁと。だったら、花をバイキング形式で取れるようにした方が色んな意味で良いと思ったんですよね。てか、そんな事で解決する弟の不貞腐れって、雑過ぎじゃあないですかね。あのくらいの男の子だったら、生花をやるって事自体にそんなに興味がないって事だって根本問題であるだろうに。てか、あのくらいの男の子をイベント会場に放置する親、いい加減にしろとも思いましたね。だから、端的には甘奈ちゃんの活躍を描くために設定されたイベントでしかなく、ショボい。せめて甘奈ちゃんと甜花ちゃんって姉妹なんだから、姉妹ならではのイベントくらいには盛り込んでおいてよと思いました。で、また甘奈ちゃん以外の2人の扱いもなんだかなぁで、甘奈ちゃんが頑張ってるときに座ってるだけなんですよね。あのフラワーイベントって折角の交流会なんだから、もっと触れ合い広場感あるイベントとして描写した方が良かったんじゃないかと、もっと良くなる余地が本当にあるだけに言いたい事が止まらないですね。
最後に第四話。正直、ヒーローショーにこんなにアゲアゲってだけで、涙腺ゆるゆるで100点と言ってしまいたいくらいなんですが。
まず、スケジュールミスが当日分かるって何だよ!wそんな杜撰な事ある!?アイマスって、どれも結構そうだけど、時間感覚にルーズ過ぎやぁしないですかね。
あと、これは惜しいなぁって所で、観客に女の子が欲しかったですね。で、果穂が観客にコールした所で観客席の女の子がキュンとしちゃうって感じのシーンを入れて欲しかった。イメージとしては、ミリオンライブシアターデイズの松田亜利沙ちゃんのSSRイラストみたいな感じ。それをやられたら、もう私は今年ナンバー1級に大号泣で大変だったと思う。もう一押し欲しかったなぁという感じですね。

◯まとめ
なんだかんだで色々書きましたが、総合的には結構楽しみはしました。ただ、特別料金1900円ってのがキツいんで、第2章以降も行くかはちょっと悩み中です。