ひでG

さらば、わが愛/覇王別姫 4KのひでGのレビュー・感想・評価

4.7
観たけど書いてなかった映画を、観てみた、しかも4Kで!名作再見シリーズ17

初見時にも衝撃を受けた記憶はあるが、どんな衝撃だったのかが薄れていて、「凄い!」しか書けなかったので、この機会に観れて本当に良かったです。

2002本目の衝撃再びレビュー! 

3時間の長尺を全く感じさせない、脚本、演出、カメラ、色彩、そして演技!
あらゆる面で最高級の歴史的な名作です。

まさに激動の歴史の中で、もがき、喘ぎ、時にはその激流に抗い、傷付き、最後は散っていく2人の物語。

時代の渦、歴史のうねり、よく簡単に使われる言葉だけど、映像として、あらゆる技術や準備を完璧にして、絵でもお話でも絢爛に見せていく。

だから、長くても少しも飽きないのだ。
そこに、時代や歴史そのものの姿が再現されているので、観客は画面に釘付けにされてしまう。

この感覚、最近経験したなあ、、
そうだ、映画館で観た「アラビアのロレンツ」だ!

何から書けばいいだろう。
何から褒めればいいだろう。

名作は、ファーストシーンから持っていかれる。母が京劇の養成所に預けたあの朝、小豆は寒さに震えていた。→このシーン、この経験は、映画の後半に突然出てくる!

養成所時代の過酷な稽古といじめの中、小豆を助けてくれた石頭。→石頭の石頭技、ここでは小豆を助ける、明るい技だったのに、これも最終盤に悲しき技として出てくるんだよな😢
少年時代の石頭役の子、好きだなあ😊

2人が程蝶衣、段小櫻(字が違う、🙏)として有名になってからも凄いの連続!
日本軍の軍靴が迫った中、舞台に集中し、世の中の動きが目に入らない程蝶衣、
社会の動きに対応しながら、全ての人に優しく接しようとする段小楼、

わあ、きりがない、どのシーンも絵として、お話の有機的な繋がりとして、素晴らしい!

そして、ここに登場するのがコン・リーの菊仙!

コン・リーの菊仙が2人に負けないぐらいいいんだよなあ〜

常に1人の男を取り合って、争ってきたレスリー・チャンとコン・リーが、あのシーンで
心を通わせる。お互い、失った命を思いながら😢😢

普通の映画だったら、ここで締めても、十分に良い終わり方なんだけど、
チェン・カイコーは許さない
中国の歴史は、観客をさらに追い込んで行く。

許してくれ!3人を引き裂いていく、、
やめてくれ!何て残酷な、
ここまでやるかチェン・カイコー!

色彩もいいよね、カメラワークもまるで京劇の舞台みたい。舞台を離れたシーンは、青や無色を強調している。

そして、そして、やっぱりレスリーチャン!
もう、程蝶衣はレスリー・チャン。彼を観るだけでもう十分です!

昨日の午後観たのですが、初めて行った角川シネマ、とてもいい映画館でした。
半休取って、思い切り観に行って本当によかったか!
名作は一生ものですよ!😆
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