タカ

ミッシングのタカのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
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久々に余韻をいつまでも引きずる映画を観た
「空白」みたいに誰かを失った悲しみから心が壊れていき、再生していく様が描かれていたが、向けるべき矛先が(見え)無い分より苦しくなった

石原さとみの役への解像度が高すぎて演技とは思えないところが多々あった、、
ロングインタビューで自分の娘がどんな子だったか聞かれた時少し詰まりつつ眼を動かしながら答えるのはあまりにリアルで怖くなった
自分の子供がもし失踪したらとか考えながら役作りしたのだろうか

弟の健吾も苦しみながらも口に出すのが苦手でずっと抱え込んでいる様は自分も口に出すのが苦手なので共感して辛かったし、だからこそラストは一緒に泣いてしまった

砂田もまともじゃないテレビ業界で正気を保とうと必死に踏ん張っていて、新人に目標にしますって言われていた時は救われたと思っていたのに結局新人が染まってしまったのはなんとも虚しかった

9割の悪意に襲われ、1割の善意と希望が手を差し伸べてたと思えば現実が残酷にひっくり返してきて後半は主人公と一緒に苦しくて泣いていたけど、
最後はそんな現実でも必死に戦って蒔いた種が小さいけど花が咲き、やってきたことが間違ってなかった(恐らくこれは砂田との対比)と思えて本当に良かった

自分の心をこの映画で破壊され、ちょっとだけ強くなって再生した気がする
タカ

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