タカ

関心領域のタカのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
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登場人物全員ユダヤ人の虐殺そのものには関心がなく、主人公家族は戦況を良くしてどうやって一緒に暮らすのかに終始しているし、アウシュビッツの設計者はいかに効率よく焼却炉を回すかにしか興味がない感じで虚しくなる

ヘンゼルとグレーテルの昔話を我が子に読み聞かせていたが、ユダヤ人と魔女が明らかに重ねられており、スコップが象徴的だった

アウシュビッツでの銃撃音がもはやお隣さんの生活音ぐらいの認識で、作中何度も鳴り響くのに誰も反応しないし、自分も途中から気づいていないことがあった
葛西に住んでてたまにディズニーの花火の音が聞こえてくるけどまた鳴ってんなくらいにしか思わないからそれと同じ感覚なのかもしれない

ラストは唐突感がある一方急に「君は何に関心があってこの映画を観に来たの?(本当はユダヤ人虐殺に興味は無くてエンタメとして消費しに来たんでしょ?)」と矛先を急に向けられた感じがした、上手く説明できないけど、、

「悪は存在しない」で「自然」に凝視されたこともあり、花のドアップシーンは観られている感じがして嫌な感じがしたけど本当に観てきていたとは。。

こちらが映画をのぞく時、映画もまたこちらをのぞいているのだと思わされる
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