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ぼくたちの哲学教室のパピヨンのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
4.2
2022年3月に公開された、ケネス・ブラナー監督の「ベルファスト」で、北アイルランドでのプロテスタントによるカトリック住民への攻撃の歴史には触れてはいました。が、ドキュメンタリーで間接的にでもこの事が語られるとよりリアルに人間の愚かさが伝わります。
そのベルファストの街には平和の壁?と言われる分離壁が存在し、あちらこちらに闘争の傷跡が残っているのです。またこの地区では「ホーリークロス男子小学校」が“哲学”を主要科目とし、ケビン·マカリービー校長が日々奮闘しているのです。子供たちの“どんな意見にも価値がある”と言う信念のもと、哲学的思考と粘り強い対話で成長をアシストしている感じでしょうか。このドキュメンタリーは、小学校の哲学教室で子供たちの問題発言や問題行動のバックボーンに、ベルファストの近代史が少なからず影響していると言うことと、日本の「道徳」「倫理」等の“特別の教科”(現在の呼び名)との比較がテーマですかね。
哲学教室での子供たちの輝く瞳や、情熱を思い切り傾けている先生方が、ある意味正しい教育だと思われます。
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