人生につまずいたら南太平洋行けってことか……。
善人しか出ない話で心洗われたいなという時にぴったりの、こぢんまりとまとまった良き映画でした。そしてタイカ・ワイティティ監督が、己のホームである南太平洋で好きなように暴れてやがったねえ……やりたい放題かよ。「ワンゴール……」の天丼とか、互いに威嚇し合うアメリカ領サモアとトンガのサッカーチームとか、顔面いっぱいの油性ペンによるおっぱい(ちゃんと数日後まで落ちずに残るとこ含め)とか、ツボるシーンも多々あり。弱小チームとワケありエリート監督のリベンジマッチみたいな百万回コスり倒されたネタと、いつものワイティティ監督ぽい笑い(油多め味濃いめ)の組み合わせだけど、南太平洋の太陽と潮風に晒すといい感じにまとまるの、ロケーションの大勝利すぎてズルい! ウォークライのアガる使いどころもよくお分かりで。ああ、「第三の性」が社会的に受け入れられているお国(島?)柄はとても良かったな。その選手のその後含め。島のおおらかさに絆されていくワケありエリート、主演のマイケル・ファスベンダーは、そうとしか見えない監督っぷりが素晴らしかったです。コメディの間合いも行けるクチでしたのね。
あと、サモアとアメリカ領サモアがあるということを今更知れました。勉強になるなあ。