このレビューはネタバレを含みます
西島秀俊が踏んだり蹴ったりなおはなし。
男色なり切腹なり、硬派なる男の道即ち武士道を、強かに、或るいはシニカルに見、正に馬鹿にして嗤うてゐるのが、非常に楽しい。
特に、たけしと大森南朋のコンビは可笑しくてしやうがない。
「……早やく死ねよ!」
「お、アイツまだ死んでなかったのかよ」
もう笑ひ死んぢまふ。
又た、首に執着する者どもの群像劇を描いてゐながら、「首なんか何うだっていゝんだよ」と結するところなどは、悪質極まりねえ。最低すぎて、最高に面白い。
真面目なる道を小馬鹿にせし、露悪的なるコメディ。畢竟、関東のお笑ひ。成るほど、たけしにしかもう出来まい。