けんたろう

反撥のけんたろうのレビュー・感想・評価

反撥(1964年製作の映画)
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本当にあのカトリーヌ・ドヌーヴなのか……?


思うてゐたものと大きく違うて大へん困惑! 此奴、ホラーぢゃねぇか! 何んなら、途中からはもう『カリガリ博士』だらう!

いや然し、可成り面白い。
何んたってテーマが面白い。加へて其の描き方が面白い。
男といふものを不潔とする貞淑の──と思ひきや、寧ろ、自分以外の個体(の象徴としての男)が侵入してくる恐怖、又たは自分以外の個体と交はることの忌避であったか。
而して、其れはもうはや孤独に成らざるを得ず。引き籠もりて拒否をせざるを得ず。おゝ、此れは果たして、酷く潔癖なる者の末路か。

耐えがたき恐怖、不快、嫌悪の感。
キチガヒの見ゆる世界観を如実に表した佳作であった……