けんたろう

カンパイ!世界が恋する日本酒のけんたろうのレビュー・感想・評価

-
カンパイ❗❗❗


伝統と革新は、成るほど正反対のものであらう。然うして其れらは大体いつも打つかりあひ、其の場所に生くる人々の間で時に最重要テエマとして鎮座することも有らう。
然し其れらが若し各人の想ひや誇り、然うして覚悟といふものが結果の事象と認めらるゝならば、究極のところ其れらは飽くまで表層に見ゆる個性でしかないのではなからうか。又たは、同じところに根差す仲間として互ひに尊重しあはれるのではなからうか。
要するに最重要たるのは、各人の想ひや誇り、然うして覚悟の方なんではあるまいか。

本作を観ると、其処に住まふ人々の、得も言はれぬ胸の裡が、ビンビンに伝はってくるのである。然うして其れらこそ、本作に於ける最も表現したきことであると明白に解るのである。

最近、日本酒をよく飲むのもあって観賞したのだが、然し其れ以上に(即ちSAKEを飲むから等は毫も関係なく)此の作品に宿りたる心意気に心を奪はれた。
私し矢っ張り、其の土地々々に住まふ人々のドキュメンタリイが非常に好きである。実際、以前に観た此のシリイズの他作も非常に好きであった。
「カンパイ!」
あゝ、至極素敵である。