このレビューはネタバレを含みます
加瀬亮はこの作品で北野映画に欠かせない俳優となったのではないでしょうか。
というより最早、加瀬亮の信長をたけしが撮りたいが為にこの作品を撮ったと思うほど、今回の加瀬亮は重要な役を任されてると感じます。
能を観ながら信長が涙ぐむシーンは「何泣いてんねん」と思いましたが、その後の「すべてを皆殺しにして、自分の首を乗っけたら気持ちが良いだろう」という台詞で、恐らく信長はこの世の争いや裏切り等にうんざりしている面が感じ取れました。
「結局こんな争い事何も意味無いんだよ」とたけしが信長を通じて伝えかったのかもしれません。そしてそれを狂気的に儚く孤独に演じきった加瀬亮が今作のMVPでしょう。
ファミコンにたけしの挑戦状という激ムズゲームがありますが、そのエンディングで「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの 完」とメッセージが出ます。たけしは30年前から分かっていたんでしょうね。人生は糞ゲーなんだしマジになるなと。
「人間、生まれた時からすーーべて遊びだわ!」