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若き仕立屋の恋 Long versionのBATIのレビュー・感想・評価

若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)
3.6
結ばれないこと、愛を告げないことで恋は終わらずに呪いあるいはシミのように残るというのは「花様年華」とほぼ一緒。両片想い。「触る/触られる」ことが最大の媚薬であり残り香、記憶となるのがなんともフェティッシュ。だからとにかく衣服を仕立てたり、採寸したり、料理をとる「手」をとにかく艶かしく映す。それが変態的にギリギリならないのは品。ちまきの辺りヤバいでしょう。

とにかくずっと誰かを思い続けている、それが毒のように全身に回りながら生きる男を描くのがカーウァイは好きですね。女に対するスタンスはまた違うような気がしている。

性的搾取に間違いはないのでまぁこれ今は作れないし危ういですよね。お互いの職業の問題があるから男女反転は工夫しないといけないとならんけど、それでも成立は出来ないだろうなぁ。「花様年華」と違うのは性愛に全振りしているところで、その辺が好みは分かれる作品だと思った。私はそれなりに楽しんだ。

肌、骨格、産毛やその根本の感じ...触れたその感触って結構覚えているものですよね。エロ方面だけの話じゃなくて洋服だったり私だったらギターとかがそうなんだけど。どれも同じような形や色でも全て違う。匂いとかもそう。
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