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ミッシングのBATIのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.8
お子さんいる方がいたら結構つらいだろうな。そのせいで映画に入り込み過ぎてしまうかもしれない。エンタメ方向の話でないことと、スッキリさせないまま幕を閉じること、人間の本質は邪悪で終わらせないところと、配慮がある作品だった。オチのない話でいいんだ。そういうものが観たいんだよ。
どう考えても石原さとみを見るための座組で、彼女も渾身の演技をしているのだけど、私は𠮷田恵輔作品には合っていないように感じた。「ボクらの時代」出た時も監督は「自分じゃないと思った」と言っていたけど、いざ作品を観ると石原さとみを撮るにあたってどう撮るか、どう演出するか若干及び腰だったのではないかと思ってしまったな。高級時計を扱うように大女優として扱ってしまった。それよりも森優作が素晴らしかった。彼と絡んでいる時の石原さとみが一番良かった。この作品のテーマとムードを一番体現していたのが森優作だった。青木崇高も良かったから、やっぱり監督は男性を撮る方が得意なのだとは思う。近年の邦画としては全然マシどころか良作だと思う。気恥ずかしい台詞と演出をギリかすめていく脚本と演出。テーマとして「なんてもネタとして消費していいのか?」が大きなウェイトを占めていて、「考えすぎるくらい考えましょうよ。」が一番に胸を打った。
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