【唯一無二】
その第一声は、聴く者の耳に届くや否や、心臓をギュッと締め付け、背筋をズバッと一気に貫き、全身の毛穴をブワッとこじ開ける
映画なのに、思わず目を閉じ、その感覚が全身に拡がることに身を委ねてしまう
それが、アイナ・ジ・エンド
その声を初めて聞いたときから、俺には分かっていたんだ
コイツはやべぇ
いつか、凄いことやらかすぞ
それが、アイナ・ジ・エンド
だが、
どんな形で?
どんな所で?
それはいつ?
そして、それは誰の手によって?
そう、岩井俊二だ
ファーストカットからファイナルカットまで、やつはその世界観を貫き通した
やはり、そうじゃないとダメなんだよ
そうしてくれないともう満足できないんだよ
厄介な怪物になっちまったな、俺は。