ほーく

オッペンハイマーのほーくのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
【安寧秩序】
多分、日本のSNSでは騒がしいはずだ。
そして、世界はどうだろう。

大量破壊
疑心暗鬼
権謀術数
栄枯盛衰
毀誉褒貶
etc.

多くの候補が思い浮かんだが、これに決定した。

この作品を観た者、観ていない者、観るつもりの者、観るつもりのない者、こぞって意見を表明している。
それぞれの立ち位置、持ち得ている知識、先入観、入り乱れて…。

それについては、私は今回述べない。
もちろん、思うところは沢山ある。
だが、それはこの作品にかこつけてして良いのだろうか。
だから、敢えて今回は、映画作品としてのみ触れたい。
何?最初にネタバレしてるだと?
ま、それは置いときましょうや。

では、改めて。

この作品、何はともあれ、可能な限り大きいスクリーンで、音響の良い設備で鑑賞して欲しい。
つまり、IMAX推奨。
理由は、体感して貰えば分かる。

そして、私が常々言及するテンポ。
180分を苦痛に感じさせぬ構成だ。

歴史的に名を残した実在の人物の人生を扱うことは実に難しい。
その人物の功罪、その背景、内面描写、どこに焦点を絞るか、その配分を考えると、180分は長いようで短い。

これ程、世間が侃侃諤諤になっているということは、それだけの切り口を語りたくなる仕上がりだからだ。

クリストファー・ノーランからのメッセージを汲み取るとするならば、
『各々、己の意思で考え、それを言葉にしてみろ』
であろうか。

皆さんも、是非この挑戦状を受け取って欲しい。
ほーく

ほーく