どうしよう、良かった。
足るを知る、多くを欲せず、毎朝、生に感謝し目醒める、身だしなみを整え、人々の汚れを浄める仕事に出かける。
食うに困らず、ささやかながら好きな物事に囲まれ、変わることのない日常をあたり前に繰り返す。
繰り返し繰り返し、人は営みの中に神を見つけるのですね。
でも、人だからものごとは移ろい変化するし、平山さんも時にパティスミスを通じて女の子と分かり合えたり、時には別離した家族との過去が否応なく覆い被さってくることもある。
後悔や贖罪の気持ちに抑え込まれる事もある。でも、そういう欠落は人を人として成り立たせるものだと教えてくれる。
映像のなんたらとか何故画角が正方形なのか？とか全然わからないけど、
幸田文の木は文庫本で持ってるから読み返そう。
あと、当たり前過ぎてあれなんだけど、最後に「木漏れ日」についての記述があった時に、あぁ、監督外国人なんだよね。そうだったわ。となった。
日本的情緒への敬意を映画を通して感じました。
ニーナシモンのFeeling Goodと役所広司のなんとも言えない顔アップエンドで終わる名作。
以下追記です。
あとね、なんだろ？
この映画て、日本のさ、老いや滅びの話しだと思ったんだよね。
老いる事で無駄なものが削がれていく、その先には滅びが待っているけれど、そこには清しさと潔さなどの洗練された美しさがあるのでは？
そういう美しさとは普遍性を備えているのかも知れないですよ。
と、自分はこの映画からそんなメッセージを感じたんですね。
実際にものすごく美しく、素晴らしいように思うんだけど、それはちょっと寂しいな、日本人としてはー。
と、そういう感じは残るんですよ。
そういうのも含めてね、良かったなーとは思うんだけど。
だって昔の日本てさ、ギラギラバリバリガツガツしてたし、とても汚れてて、嘘ばかりで、とにかく洗練されてなかったしな。
ただ、同時に感じるのは、この映画は若い日本人には理解されないで欲しいです。
