どんな生活でも、人それぞれの幸せってあるよな。お金があるから、とか、いい仕事についてるから、とか、だから幸せとは限らない。4畳半のいわゆるボロアパートで、毎日同じ時間に起きて、小さな家族(植木)たちの成長を見届け、丁寧に仕事をして、仕事終わりの銭湯とお酒の一杯。掃除の行き届いた部屋で、小説を読みながら寝落ちする日々。毎日「今日もいい日」って思って朝を迎える。木漏れ日の写真を撮って、重なる影を見る。無口な主人公だけど、日々に満足していることがとても伝わってくる。毎日が幸せだけど、ずっと傍にいてくれる人は一人もいない虚しさ。でも幸せなんだなって。どれだけ完璧な日を過ごしていても、理由もなく泣けてくることってあるよね。
ビムヴェンダースらしい、車からの景色とか、多くを語らない撮り方ですごく好きだった。途中出てきた金髪の女の子は、パリ、テキサスを意識してるのかな？
