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枯れ葉のUのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.8
すごい棒読みなのが気になって最初集中できなかったけど、観てるうちにそれも個性に感じて、最後にはどこか魅了されてた。凝った手法とか使ってくるより、大学生が作った映画みたいな良さがあった。素材の良さを楽しんだ。
画面に映し出される情景とラジオから聞こえてくる情報のギャップが激しくて、昔の映画なのか、今まさに起きていることなのか錯覚する。こんなほのかに暖かい日常の裏で"酷い戦争"がずっと起きて、人が毎日のように死んでるって、そりゃ、目を伏せたくなる。関わりたくないし、知りたくもない。それが日常になってしまっているのも、悔しすぎる。
ほのかに出会い、目が合った時にはもう何かが違う相手だとお互いに感じていた二人。一人だからどうでもよくてアル中になって、そのせいで好きな人失って、でも好きだって自分で分かって辞められるホラッパの一連の流れにはどこか共感もできた。いい奴なんだと思う。病院に通うシーンも、何か特別映画史に残るようなことがあるわけではないけど、わかるよって感じ。この時にはすでに、確信に変わっていたんだね。
全体通してドイツ映画っぽくない音楽の入れ方なのが違和感があったけど、まあこれも個性なのかなと思ったし、なんか安くも感じた。あと余談だけど最初のカラオケのシーンで「歌が上手いわね」って言われるには無理があるほど音痴だったのに、その後カラオケ王とか言われててバカにしてんのか本当に言ってるのか分からなかったけど笑っちゃった。
ベストアクトはチャップリンでいいですか🐕
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