ブタブタ

PERFECT DAYSのブタブタのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
2.5
役所広司・主演『ちいかわ』か?
……
ほぼ喋らない主人公の特に何も無い(?)淡々とした日々、そして労働。
台詞は「う…ん」「…」「(笑)」のみ。
前半は完璧だった。
毎日同じ時間に起き自販機でコーヒーを買い都内各地のトイレ掃除。
三時前には上がり開店同時に銭湯♨️
地下街のいつもの立ち呑み、馴染みの飲み屋、植物に水やり、本を読み就寝。
その何気ない毎日の中にちょっとした出来事や喜びがある。
て、前半迄は完璧だった💯💮
喋らない主人公は最後までアレで通すべきだったのでは。
そして最後の三浦友和とのくだりで初めて喋りだすって形がよかったのでは。

この映画はストーリー云々でなくその毎日の淡々とした日々を描く、小説で言えば文体を楽しむタイプのものだと思うので。
なので途中で出て来た姪のニコってキャラクターで言っちゃ悪いけど台無しになった。
家に転がりこんで来てからは必然的に主人公は喋り出すし、今までのこの話しの流れがあそこでブツっと切れた気が。
ただあの新人の女優さんには悪いけど全くあのニコってキャラクターに魅力を感じないので。
この映画って或る意味ハーレムラノベみたい。
(行く先々で女が現れ無条件に皆、主人公の事を好き)
ニコって姪なのか実は娘で何かの事情で妹が引き取り姪って事になってる?とかよく分からないけど、キャラクター造形が「おじさんが考えた今の女の子」みたいなステレオタイプで突然家に転がり込んで来て暮らす事になるコレまたベタなラノベ展開。
基本喋らないちいかわに新キャラクターが現れてちいかわが突然喋り出したら台無しになると思うんだけど。
あの女優さんのせいでなく完全にヴェンダース監督が悪い。
だってこの映画、有名俳優だらけで踊るホームレスは田中泯、公園にいるおばさんは研ナオコ、飲み屋には石川さゆり、トイレ借りるタクシー運転手は『ビルド』の三羽鴉、そして最後にはいきなり三浦友和と、この様に有名俳優・歌手だらけで流石にこのメンツに新人が入り込む余地はないと言うか。
ダメな若者の同僚(柄本時生)の幼なじみの恐らく知的障害者のあの子がいいキャラクターだった。

画面に遠景でちょっと映る渋谷セルリアンタワーで10年以上前、自分も掃除夫してて基本夜勤だったのでトイレ掃除してる時に人が入ってくる事はなかった。
役所広司がやってたみたいにあそこまでは念入りにはしてなかったけど。

登場する渋谷のヒューマントラストシネマ近く公園の円形トイレ、前に東京行った時に入った事ある。
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