<映画への一言>
人生でかけがえのない映画の一つ
<良かったこと>
・全てのシーンに無駄がない
・言葉で語らなくとも伝わる表現力
・静かだがストレートに訴えるメッセージ性
・ストーリーの一貫性
・心に刺さる音楽
<悪かったこと>
・子供が見ても作品の良さが伝わりにくい
<総括>
※ネタバレあり
近年ではよく「勝ち組」、「負け組」と人間を2種類に分ける言葉をよく聞く。
良い大学や良い会社に入る、出世する、多くのお金を手にする、パートナーと結婚する、子供を授かる、車や家を買うなど。
一般的に勝ち組と呼ばれる際に使われる具体的な言葉を並べてみたが、これら一つが欠けていた或いは何も持っていない人間が負け組なのか？
本作の主人公である平井はどれも持っていないが、この作品を見た後に彼が負け組と思うだろうか？
少なくとも私個人的な感想としては全く思わない、むしろ彼の生き方を学ぶべきだと感じた。
毎日全く同じ繰り返しの日々を過ごしていく中で、何か一つでも小さな幸せを見つける、他人から見ればどうも思わないことも、彼にとっては幸せだと感じる。
特別なことはないが、変わらない日常の中で少しでも変わったことをプラスに捉えて嬉しく思える。
時間とは他人とも同じように平等に過ぎていく中で、限られた人生の中で一つでも幸せを見つけていく、そして出会うはずのない誰かと繋がる。
決して友達や人付き合いを多い訳ではないが、変わらない日常で新しく誰かと繋がることで、また新しい幸せを見つける。
明日から少しずつ意識していくことで、人間を勝ち組と負け組に分ける意味はあるのか？を考えていきたい。あるいは、既に考えなくても良いのかもしれない。
老若男女問わず、全ての人々に見ていただきたい作品。
